お正月飾り


 お正月飾りは、初めてお正月を迎える赤ちゃんに魔除けとして贈られるお飾りです。男の子には破魔矢、女の子には羽子板を贈ります。ともに古来からの行事であった正月の年占いや厄落としがその始まりです。男の子が弓と矢で的を射てその年の占いをしたのが破魔弓の起源で、女の子が正月に羽根を突き、その年の厄落としをしたのが羽子板の最初であるといわれています。

破魔弓は、なぜ男の子のお守りなのでしょう?
 弓で射る的のことを昔はハマと言っていました。そのハマに破魔の字を当てたことが、この飾りの由来です。似たようなものに初詣の際に神社から授かる破魔矢、新築の上棟式の際に鬼門の方角に向けて棟の上に立てる破魔矢があります。宮中の行事にも男児の誕生の際に、弓を射って魔を払う神事があります。

羽子板は、なぜ女の子のお守りなのでしょう?
 羽子板には、羽を悪いこと"魔"に置き換えて”魔”を突き返すという意味があります。
 また、羽子板の羽根はトンボを意味しています。蚊を食べるトンボ。トンボは蚊の天敵。
「幼子が蚊に刺されて病気にならないように」、「今年も一年無事に過ごせるように」。
「羽根つき」には、そんな願いが込められています。
もうひとつ、羽根に使われるあの黒くて堅い玉は「むくろじ」という大木の種です。この「むくろじ」は、漢字で「無患子」と書きます。「子が患わ無い」という意味です。つまり羽子板は、赤ちゃんの無病息災の意味なのです。

羽子板や破魔弓はいつからいつまで飾るの?
 旧年の風に当てることから、12月の大安などの良い日に飾ります。しまうとすれば、一月十五日頃がいいでしょう。この頃、しめ縄や松飾りを焼く火祭りが行われます。もちろん、お正月だけでなく、雛人形や五月人形の脇飾りとして飾ってもさしつかえありません。こうして、子供の無事の成長をお祈りします。お正月かざりのご返礼は、鏡開きの日にお祝いを戴いた方(ご実家のご両親やお仲人さん)をお招きして、おしることおもちでおもてなしをします。これには赤ちゃんがマメに育つ。という意味が含まれています。ご招待できない時は、12月の内に甘納豆などをお配りしましょう。

その他のお正月飾りは…?
鏡もち
 鏡もちの由来は、平たくて丸く、当時重宝がられた鏡に似ているからという説があります。
鏡もちの飾りはそれぞれ意味があり、裏白や長寿と夫婦円満、ゆずり葉は「家系が絶えない」、昆布は「よろこぶ」に通じ、橙は「代々栄える」。お正月用の餅つきは28日までに済ませるのが習わしです。29日の9を“苦”になぞらえ、「苦をつく」からと避けたのです。

しめ縄
 お正月以外でも、神社や神棚にしめ縄が張られているでしょう。しめ縄は、神を向える正常な場所を表すしるしなのです。お正月は、家を清めてそこに年神様を迎えるため、門前や玄関前にこのしめ縄を張るようになりました。

門松

 古代日本では松などの常緑樹は神様が宿るとし、家の門ぐちにこの神聖な木の枝を立てました。そして、年神様はそれを伝って降臨すると信じられていました。これが門松の起こりです。
門松は、1対は雌松と雄松からなり、葉が短くて細いのが雌松。これを向って右に飾るのが決まりです。
この門松も29日に飾ると「苦松」=「苦が待つ」となり縁起がよくないといわれます。

どのお正月飾りも26日〜28日までに飾りましょう。29日が良くないのは先に書いたとおりで、31日に飾るのは神様に迎えるのに失礼な「一夜飾り」とされます。30日も旧暦では大晦日にあたるので31日と同じ意味でだめです。

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