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1.市町村合併の必要性・背景 |
地方分権の推進や少子・高齢化の進行,国・地方を通じた厳しい財政環境など,近年の市町村を取り巻く情勢は次のように大きく変化してきている。 また,県内市町村の現況と今後の展望,行財政の現状や今後の見通しなどを踏まえると,これらの社会経済情勢等の変化に的確に対応し,住民の期待に応えていくためには,既存の市町村の区域にとらわれることなく,市町村合併も十分視野に入れて,これからの時代にふさわしい簡素で効率的な行政体制の整備や行財政基盤の強化を図ることが求められている。
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区 分 |
平成7年 |
平成20年 |
平成30年 |
総人口の増減状況 |
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全 国 |
総人口 | 125,570千人 | 127,647千人 | 125,057千人 |
99.6 |
15歳未満 | 16.0% | 14.3% | 13.9% | ||
15〜64歳 | 69.4% | 64.6% | 59.9% | ||
65歳以上 | 14.6% | 21.1% | 26.2% | ||
鹿児島県 |
総人口 | 1,794千人 | 1,730千人 | 1,650千人 |
92.0 |
15歳未満 | 17.8% | 15.0% | 15.3% | ||
15〜64歳 | 62.5% | 60.3% | 56.6% | ||
65歳以上 | 19.7% | 24.7% | 28.1% |
※ 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来人口推計」(平成9年)の結果を一部加工して作成。
2.市町村合併の効果 |
市町村合併については,一般に次のような効果(メリット)が期待できる。 |
1 住民の利便性の向上 |
ア)住民票の発行などの窓口サービスのオンライン化による利用可能範囲の拡大 イ)旧市町村界を越えた見直しによる,生活の実態により即した小中学校区が設定 ウ)公共施設(図書館,スポーツ施設,保健福祉センター等)の利用範囲の拡大 |
2 行政サービスの高度化・多様化 |
ア)女性政策や都市計画,国際化,情報化等の専任の組織・職員の設置 イ)専門職(社会福祉士,保健婦,理学療法士,土木技師,建築技師等)の採用・増強 ウ)行財政基盤の強化による,多様で広域的な施策・事業の展開 エ)より体系的で高度な研修の実施等による,職員のレベルアップ→行政能力の向上 |
3 重点的な投資による基盤整備の推進 |
ア)財政規模の拡大等による,重点的な投資 (地域振興等の拠点となるような施設の整備や大規模な投資を必要とするプロジェクトの実施) |
4 広域的観点に立ったまちづくりと施策展開 |
ア)広域的視点に立った,道路や公共施設の整備など,より効果的なまちづくりの実施 イ)広域的な調整,取組等を必要とする課題(環境問題や水資源問題,観光振興など)に関する施策のスムーズな展開 |
5 行財政の効率化 |
ア)総務,企画等の管理部門の効率化や,サービス提供・事業実施を直接担当する部門等の強 化・充実 イ)三役や議員,各市町村に置くこととされている委員会や審議会の委員,事務局職員などの総 数が減少→経費の節減 ウ)公共施設の広域的・効率的に配置→狭い地域での類似施設の重複の解消 |
6 地域のイメージアップと総合的な活力の強化 |
ア)地域の存在感や「格」の向上と地域のイメージアップ→企業の進出や若者の定着,重要プロジェクトの誘致 イ)市制施行等による,より総合的な行政の展開 ウ)地域の活性化や新たな課題への対応力の強化 |
3.市町村合併に際して懸念される事項と対処方策 |
具体的な懸念される事項等の主な内容とその対処の考え方は以下のとおりである。 |
1 合併の必要性やメリットが個別・具体のケースにおいて明らかになりにくい場合があること |
【対処の考え方】 |
2 合併後の市町村内の中心部と周辺部で地域格差が生じたり,歴史や文化への愛着や地域の連帯感が薄れるといった懸念 |
【対処の考え方】 |
3 住民の意見の施策への反映やきめ細かなサービスの提供ができにくくなるという懸念 |
【対処の考え方】 |
4 関係市町村間の行政サービスの水準や住民負担の格差の調整が難しいこと及び市町村によっては財政状況に著しい格差があること |
【対処の考え方】 |
5 合併に伴い新しい行財政需要が生じることや,一定期間経過後交付税が減少すること |
【対処の考え方】 |
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