春の七草


 ●七草の始まり

七草粥は平安時代に中国から伝わったとされ、新芽の持つ生命力を体に取り込む意味で食べたのが始まりとされています。「枕草子」にも「7日の菜を6日に入りがもて騒ぐ」の文章があるように、五節句の一つ、『人日の節句』と呼ばれていた1月7日の朝、七草粥を食べ、無病息災を祈念します
昔は七草ではなく、米・麦・稗・粟・黍と五種類の穀物に、若菜2種類を混ぜたものを五穀豊饒を祈って食べていたようです。
江戸時代に定着した春の七草は、せり・なずな・はこべ・ごぎょう・ほとけのざ・すずな・すずしろです。これらを炊き込んだお粥は万病を避けるといわれますが、寒い時期のビタミン補給と正月料理で疲れ気味の胃を休めるという古人の知恵が感じられます。

※五節句
  1月7日・・・人日の節句
  3月3日・・・雛まつり
  5月5日・・・子供の日
  7月7日・・・七夕
  9月9日・・・重陽の節句

 

●七草の種類

  • せり
    貧血や便秘に効果 のある鉄・食物繊維を含んでいます。ウィルスに対する抵抗力をつけるビタミンCも含んでいるためカゼにも効果的でしょう。また、香りの素となる精油成分には保温効果 、発汗作用もあり冷え性にはよいでしょう。
  • なずな
    たんぱく質が多く、ビタミンA・B・B2、カルシウム、鉄、マンガンといったミネラルが豊富で、貧血に効果的です。血圧を下げる作用もあります。利尿、便秘の解消、生理不順にも効き目があります。
  • はこべ
    タンパク質が多く、カルシウムや鉄などのミネラルが豊富で葉緑素と酵素も多量に含有しています。
  • ごぎょう
    たんぱく質・ミネラルに富み、少量ながら脂肪分もあります。痰切りの効果があり、気管支炎・扁桃炎・風邪の予防に効き目があります。
  • ほとけのざ
    健胃・整腸の効果があります。
  • すずな
    根にはデンプンの消化を助ける酵素ジアスターゼ、タンパク質を分解する酵素アミラーゼ、それに食物繊維が大量に含まれているので、食べすぎや胸やけの不快感をさわやかに鎮め、腸の働きも正常に整えてくれます。また、根のおろし汁は古くから胃炎や胃潰瘍に効くと され、痛むときには、おろし汁大さじ1〜2杯を飲むと痛みがやわらぎ、これを常食すれば症状を回復させると言われます。
  • すずしろ
    神経痛や胃腸、咳止め、食中毒時の腹痛、冷え性、食欲の増進、二日酔い、頭痛、歯檜濃漏などにおろして利用します。

 

七草粥の作り方

●1人あたり125kcal

●材料(4人分)
  • 米  ・・・1カップ
  • 水  ・・・7カップ
  • 七草・・・適量
  • 塩  ・・・少々

●作り方
  1. 米は炊く30分ほど前に洗ってザルに上げ、水気をきっておく。
  2. 七草は塩ゆでして水にさらし、かたくしぼって細かく切る。
  3. 土鍋に 1 と分量の水を入れて強火にかけ、煮立ったらとろ火にし、フタを少しずらしてかけ、途中から混ぜずに30分ぐらい炊く。
  4. 3 に塩をふって味を調え、 2 を加えて一煮立ちさせる。


 

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