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サプリメントと健康


●サプリメントとは?

 サプリメントとは、食事によって十分に摂りきれていない栄養素を補うための補助食品を総称して、こう呼ばれています。実際には日本で「健康食品」と位置付けされているものとほぼ同じ製品群と捉えてよいでしょう。
 サプリメントは英語で「補うこと」を意味する「Supplement」をそのまま使った、いわば現代の言葉ですが、最近では、略して「サプリ」と呼ばれることも多く、むしろ、親しみやすいこの呼び名が一般に浸透しつつあります。

 加工食品やインスタント食品、スナック菓子、清涼飲料水などで食事が偏っている現代では、バランスが崩れてしまっている場合が多々あります。このように摂取する栄養が偏った状態が続けば体に良いわけはありません。
 また、過度のストレスや公害、環境汚染の為に、私達のカラダは今まで以上にビタミン・ミネラルを必要としているとも考えられています。

 そこで、足りない栄養素や体が欲しがっているビタミンを、食事とは違った形で補うのがサプリメントの役目です。その補給方法は多くの場合、錠剤やカプセルなど手軽に飲める方法を採用しているため、現代社会に広く受け入れられるようになりました。
 

●サプリメントの種類

 サプリメントは種類が多く、また、次々と新しい成分がサプリメントとして世の中に送り出されているのです。
 代表的なカテゴリーとしては「ビタミン」や「ミネラル」があり、これらは病院で治療に使われているものと本質的には変わりありません。
 最近では、単純に栄養を補給するだけでなく、生活習慣病や成人病を意識した成分が注目され、プロポリスやアガリクスなど「自然食品」の分野もサプリメントと同様に扱われることが多くなりました。
 ほかにも、世界的に研究の歴史が長い「ハーブ類」、それを使った「アロマテラピー」の一部もサプリメントの重要なカテゴリーとして一翼を担っています。

 「足りないものを補う」という考え方はこれからも継承され、続々と新しいサプリメントが登場してくることでしょう。
 

●ビタミンとは?

 ビタミン(Vitamin)とは、体内での栄養素の働きをスムーズにしたり、 体の調子を整えたりする微量の物質です。
 ビタミンは人間が生きていくために必要な成分ですが、ほとんどのビタミンは体内では合成できません。そのため、食事やサプリメントから適切な量を摂取し、それを維持しなくてはならないのです。

 現在約20種類のビタミンが知られていますが、大きく分けて、水溶性ビタミン(水に溶けるもの)と脂溶性ビタミン(油に溶けるもの)があります。水溶性ビタミンは、体が必要とする量を越えると尿や汗になって体外に排泄されますが、脂溶性ビタミンは、取りすぎると体内にとどまり悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
 

●主用ビタミンの働きと1日の必要量

種類
(別名)
働  き 欠乏症 30歳の
1日の
必要量(
許容
上限
摂取量
含まれる
主な食品
水 溶 性 ビ タ ミ ン
ビタミンB1
(チアミン)
消化液の分泌を促進し、食欲を増進します。炭水化物や糖を分解してエネルギーを取り出すのに必要。 食欲減退・かっけ(最近ではかっけは少なくなっていますが、偏食によるむくみ・だるさなどの症状には注意が必要です) 1.0mg   大豆・落花生・レバー・豚肉・魚卵・玄米など
ビタミンB2
(リボフラビン)
発育に必要なビタミン。脂肪の分解にも必要です。不足するとにきびなどのトラブルが起こりやすい。光で分解されるので注意が必要です。 目の異常や口角炎、口内炎 1.2mg
1.0mg
  イースト・レバー・卵・しじみ・サバなど
ナイアシン 炭水化物や脂肪を分解するのに必要なビタミン。血液中のコレステロールを下げる働きがあります。アルコールを飲むと分解されるのでお酒を飲む機会が多い人は積極的に摂取したほうがよいといわれています。 ペラグラ(皮膚炎、下痢、痴呆など) 16mg
13mg
30mg イースト・レバー・肉・魚・豆類など
ビタミンB6
(ピリドキシン)
中枢神経の働き、たんぱく質の合成などに関係する重要なビタミンです。皮膚の健康に必要。月経前症候群にも有効 皮膚炎・貧血、小児の場合にはけいれん。 1.6mg
1.2mg
100mg イースト・レバー・肉・魚・豆類など
ビタミンB12
(シアノコバラミン)
貧血を防ぐ働きがあります。肝臓病の予防に効果があります。 悪性貧血 2.4mg   レバー・貝類・チーズ・肉・卵黄・のりなど
葉酸
(テロイグルタミン酸)
血液の成分であるヘモグロビンの合成に不可欠。たんぱく質を作るのに関係するために、妊婦、授乳婦には必須のビタミンです。妊婦には400mgが必要とされており、食事のみでは摂取が難しいのでサプリメントによる摂取が勧められています。 巨赤芽球性貧血、舌炎・口内炎 200μg

妊婦は400μg
1,000μg ほうれん草・小麦・チーズなど
パラトテン酸 脂肪、糖などの代謝に関係。性ホルモンの生成に関係します。 栄養障害。動悸、悪心、頭痛 5mg あらゆる天然の食品に含まれています。
ビタミンC
(アスコルビン酸)
コラーゲンの生成に関係するため肌の調子を整える働きがあります。病気に対する抵抗力を増すので風邪の時などにも有効です。また、日焼けや皮膚の色素沈着を防ぎ、鉄の吸収を助けます。たばこを1本吸うと25〜100ミリグラムのビタミンCが損なわれるといわれています。 壊血病(体の各部から出血する病気)歯ぐきから出血しやすくなったらビタミンC不足の危険信号です。貧血、成長不良 100mg   野菜・果物・いも類など
脂 溶 性 ビ タ ミ ン
ビタミンA
(レチノール)
皮膚や眼の健康を維持するために必要。細菌に対する抵抗力をつける。取りすぎると頭痛やめまいなどの症状が出ることがあるので上限値が決められています。βカロチンは体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAはβカロチンの形で取るほうが安心です。特に妊娠中 の過剰摂取には注意をしてください。胎児に影響のある可能性があります。 夜盲症(夜に眼が見えにくい)発育が遅れる。乾燥性眼炎 2,000IU
1,800IU
5,000IU うなぎ・レバー・卵黄・うに・バターなど
ビタミンD
(カルシフェロール)
骨や歯の健康を維持するために必要。カルシウムをリンの吸収に欠かせません。日光に当たると、紫外線の影響で体内でビタミンDが合成されます。 クル病、骨粗しょう症、虫歯が出来やすくなる。 100IU 2,000IU 肝油・レバー・青魚・バターなど
ビタミンE
(トコフェロール)
手足の血液の循環を良くします。脂肪の酸化を防ぐ働きがあるので若返りのホルモンと呼ばれています。動脈硬化や脳卒中などを予防します。 胎児の栄養吸収の悪化。肝壊死、脳軟化症。 10mgα-TE
8mgα-TE
600mgα-TE(αトコフェロールとして) 小麦胚芽・綿実油などの植物油・卵黄・豆類など
ビタミンK
(フェロキノン他)
血液の凝固に関係しています。止血時に必要なビタミン。カルシウムが骨に沈着するのを助けるので骨粗しょう症の予防にも有効です。血を固まりにくくする「ワーファリン」という薬を飲んでいる人は薬の効果が弱くなるので注意が必要です。 出血しやすくなる。骨粗しょう症。 65μg
55μg
30,000μg キャベツ・ほうれん草・納豆など

●ミネラルとは?

 人の体の大部分は有機物(炭素・水素・酸素・窒素)で構成されていますが、生命を維持するためには、多種類の無機物も必要になります。その無機物のことをミネラル(Mineral)といい、よく知られているものとして、骨や歯の構成物質であるカルシウムやマグネシウムがあります。他には、不足すると貧血症状を引き起こす鉄分も私達に身近で代表的なミネラルです。

 私達の体の中にあるそれぞれのミネラル量はほんのわずかですが、どれも生体内で非常に重要な役割を果たしています。「体のイオンのバランスを取る、酵素が働くのを助ける、内臓や筋肉などを動かすために必要」といった働きです。

 先進国では、環境汚染などが原因で土壌にミネラル分が不足しているため、人の体もミネラル不足になりがちと考えられています。そのため、不足するミネラルをサプリメントで補ってやることは健康維持に有効です。但し、必要以上に体内にあるとミネラル過剰症の原因となるので摂取量には注意が必要です。
 

●主用ミネラルの働きと1日の必要量

種類
(別名)
働  き 欠乏症 30歳の
1日の
必要量(
許容
上限
摂取量
含まれる
主な食品
水 溶 性 ビ タ ミ ン
カルシウム
(Ca)
骨・歯などの硬組織を作ります。血液の凝固、心筋の収縮にも作用。神経の興奮を押さえる働きがあるのでイライラに効果があるといわれています。 歯、骨が弱くなる。十分に成長しない。(ビタミンDが不足するとカルシウムの利用が悪くなり欠乏症を起こしやすい。) 600mg 2,500mg 小魚・乳製品・大豆製品など


(Fe)

血液の成分であるヘモグロビンに含まれます。月経のある女性や妊婦に鉄欠乏性の貧血が起こりやすく注意が必要です。食事で十分に摂取している場合には取り過ぎに注意しましょう。心疾患などのリスクが高まるといわれています。 貧血。疲れやすく怒りっぽくなる。発育が遅れる。 10mg
12mg
40mg ほうれん草・レバー・ひじき・のりなど
ナトリウム
(Na)
筋肉・神経の興奮を弱める働きがあります。カラダの体液のバランス(浸透圧)を調節する重要なミネラルです。日本人は、塩分を十分にとっているのでサプリメントで摂取する必要はありません。ナトリウムを取りすぎると高血圧になるので減塩の必要があります。 食欲減退、筋肉は脱力する。極端な欠乏症は倦怠、無欲、失神。     食塩・しょうゆ・味噌・梅干など
リン
(P)
歯・骨などの硬組織を作ります。しかし、過剰に取りすぎると骨粗しょう症の原因になります。加工食品に多く含まれているため現代人は取りすぎているといわれています。 歯、骨が弱くなる。骨折を起こしやすくなる。 700mg 4,000mg 加工食品・卵黄・するめなど
マグネシウ

(Mg)
筋肉の収縮を抑える働きがあるので、脳梗塞や心筋梗塞を防ぐといわれています。 血管が拡張して心悸亢進を起こす。けいれん・昏睡。 320mg
260mg
700mg 青海苔・米ぬか・干し昆布・ごまなど
カリウム
(K)
心臓機能、筋肉機能を調節する重要なミネラルです。多く取ると血圧が下がります。カリウムはナトリウムとのバランスが重要で、日本人はナトリウムを多くとるので高血圧を防ぐためにもカリウムをきちんと取る必要があるといわれています。 筋無力症・まひ状態、知覚がにぶくなる 2,000mg   動植物類に豊富に含まれる。特に果実類に多い。

(Cu)
骨髄でヘモグロビンを作るときの鉄の働きや腸管からの鉄の吸収を助けます。銅は亜鉛と体内でバランスを取っています。 貧血・骨異常・脳障害 1.8mg
1.6mg
9mg 生レバー・ココア・チョコなど
ヨウ素
(I)
甲状腺ホルモンの主な成分です。不足すると甲状腺が肥大化する甲状腺腫の原因になります。放射線を浴びた時に放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積して発ガン作用を抑えると言う働きがあります。 甲状腺腫 150μg 3mg 昆布・わかめ・のり・寒天・イワシ・カツオなど
マンガン
(Mn)
骨・肝臓の酵素を活性化します。骨の生成を促進します。 骨の発育不充分。中枢神経障害。 4.0mg
3.5mg
10mg 抹茶・煎茶・ごま・こむぎ・玄米など
セレン
(Se)
強力な抗酸化作用。心臓病や動脈硬化、老化の防止に重要な役割をはたしているといわれています。日本人で不足している人は少ないようです。 動脈硬化、心筋症が起こりやすくなる。 55μg
45μg
250μg 毛がに・イワシ・カレイ・カツオ・昆布・卵など
亜鉛
(Zn)
さまざまな酵素やホルモンなどの働きを助ける重要なミネラルです。 味覚障害、皮膚炎、脱毛、性機能障害、うつ症状。 12mg
10mg
30mg 牡蠣・ごま・米ぬか・アーモンドなど
クロム
(Cr)
糖や脂肪の代謝に利用されています。インシュリンの感受性を高めるという作用があるといわれています。 動脈硬化、糖尿病の一因となることもあります。 35μg
30μg
250μg こしょう・ハマグリ・鶏肉・卵・玄米など
モリブテン
(Mo)
さまざまな酵素の構成物質となっている。日本人の食生活で不足することはほとんどないと考えられています。 はっきりとした欠乏症はありません。 30μg
25μg
250μg 海藻・玄米・白米・野菜・肝臓・貝類など

サプリメントをお買い求めの時は栄養指導士や薬剤師などのアドバイスを受けるとよいでしょう。

【30歳の1日の必要量】と【許容上限摂取量】は第6次改定 日本人の栄養所要量より。

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