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04:2001/02


貸借対照表による資金繰りのチェックポイント

 資金繰り分析とは、@資金の調達と運用のバランスすがとれているか? A資金の調達と運用の流れがうまく展開しているか? B運用資金と固定資産の運用の結果、資金の不足を来たしていないか? の三点を検証することをいう。

 ちなみに貸借対照表で資金の調達と運用のバランスをチェックする場合のチェックポイントは以下の通りである。

(1)当座比率をチェックする

   の割合が100%以上であることが望ましい。即ち100%以上であ

れば、当座に決済すべき債務に対して当座の調達源泉が確保されていることを

意味する。

(2)売掛債権回転率及び買掛債務回転率をチェックする
   の及び  の割合がどのように変化しているかをチェックする。即ち、売掛債権回転率が 減少して、買掛債務回転率が増加している場合は、債権の回収が送れて、債務の決済は早くなっているわけだから、資金がひっぱくする事になる。従って、滞留不良債権の回収や手形サイトの見直しなどを検討する必要がある。
(3)棚卸資産回転率をチェックする
   の割合が大きいほどよい。従って、割合が減少傾向にある場合、在庫が増加している事になり、資金が在庫としてねる事になる。つまり不良在庫、仕入先からの押込販売、季節遅れや流行遅れの売れ残り等、在庫増加の原因を分析して、適切な対策を早めに打つ。
(4)固定比率、固定長期適合率をチェックする
   や  の割合は、少なくとも100%以下が望ましい。従って、この割合が急激に増加しているような場合、あるいは100%を越えてきたような場合には、資金が固定資産として長期に寝る事になるから、企業の能力を超えて固定資産に資金を注ぎ込んでいないか分析して、適切な対策を打つ
(5)所要運転資金をチェックする
  所要運転資金=平均月商×(売上債権回転率+在庫回転期間−買入債務回転期間)となる。一般的には、所要運転資金は、月商の3ヶ月分が標準といわれている。ところで、上記算式で算定した所要運転資金より、短期借入金残高(割引手形残高を含む)のほうが大きければ、必要な運転資金額以上のものを借りている事になるので、資金繰りに問題があると判断する。つまり、在庫の増加、回収の長期化、支払の短期化、回収不能債権の発生、赤字の計上等、どの原因によるものかを明らかにして対策を検討する。
(5)固定(設備)資金のバランスをチェックする

固定資産

投資回収期間(年)=

長期負債償還年限(年)=

がバランスが取れているかを確認する理想は両者の年齢がほぼ一致する事である。年当たりキャッシュフローとは、減価償却費+税引後当座利益−支払配当金をいう。


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