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05:2001/02 |
企業の退職給付会計導入に対する対応策 |
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退職給付会計基準の導入により、貸借対照表においては、退職給付に係る企業の負担としての退職給付債務から年金資金を控除したものが退職給付引当金として負債計上される事になるし、一方損益計算においては、退職給付を労働の対価と考えて、その負担が各期に増えた分を当期の費用として計上する事になります。 従って、それぞれの企業において、退職給付会計の導入にあたり、以下の対応策を施す必要があります。 |
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(1)積立不足への対応 | |
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1)年金基金への積立ての増加 |
積立不足の早期解消を目指し、年金基金に積極的に追加拠出することが考えられます。それにより、会計基準変更時差異の圧縮が可能ですし、退職給付に係る会計基準導入後であっても、年金資金の増加により、退職給付引当金の額を減少させる事が出来ます。ただし、新たな資金拠出が必要とされるので、資金豊富な企業でなければ困難であるという欠点もあります。 | |
2)運用委託先の選別強化 | |
年金資産の運用に成功すれば、年金資産の増加により、退職給付引当金を減少させる事ができます。また、退職給付費用も減少することになるため、場合によっては、運用委託先を変更し、運用効率を上げていく事が望まれます。 | |
3)退職給付水準の引き下げ | |
上記の1)及び2)が退職給付引当金を積極的に減少させる目的としているものに対し、この方法は、退職給付債務を減少させる事を指向するものであり、やや積極的な処置といえます。しかし、退職給付の水準を高く維持するために、企業の財政状態が悪化し、倒産してしまっては、元も子もないので、関係者の協議により、退職給付の水準を引き下げる事も必要です。 | |
4)持ち合い株式の給付信託への拠出 | |
これは、退職給付信託を利用する方法で、今後、有望視されているものです。持ち合い株式を信託すれば、企業間の関係を害する事なく、積立不足を補う事ができます。 | |
5)確定拠出企業年金の導入 | |
確定拠出型の企業年金(例えば、日本版401K)においては、運用失敗のリスクを従業員が負う事になり、企業はリスクを免れる事ができます。このため、多くの企業が、積極的に導入の準備を進めていますが、リスクが、従業員に移転する事になるので、従業員に対する啓蒙、指針となるプランの策定が必要です。 |
(2)会計上の対応 |
今後は、退職給付に関連して、会計上の処理につき、詳細な注記が求められます。 従って、会計処理に関しては、退職給付見込み額のうち、期末までの発注額をどの方法で計算するか、差異を何年で費用処理するかといった会計方針を定めておく必要があります。 また、割引率については、退職給付債務への影響が非常に大きいため、慎重に決定する必要があります。 |
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