b-post > ビジネス情報 > 財務 > 設備投資の採算性の測定方法について | 08:2001/02 |
設備投資の採算性の測定方法について |
設備投資は、長期のわたって資金を拘束し、企業の財務に影響を及ぼしますので入念な資金計画が必要です。従って、設備投資については、その計画段階から長期的に収益性を見極め、またメンテナンス費用についても事前に漏れなく洗い出し、投資リスクを最小限にくい止める事が必要です。その目安が採算性ということになる訳ですが、採算性を測定する計算方法には、以下のようなものがあります。 |
(1)回収期間法 |
投資からもたらされる期間のキャッシュフローの増加額によって、その投資額を回収するのに何年かかるかを見積もるものであり、算式は次のとおりです。 回収期間(年)=設備投資額÷年間のキャッシュフロー増加額(注1) (注1)年間のキャッシュフロー増加額=税引後利益+減価償却費 以上の算式により、計算した回収期間と予定する回収期間とを対比して、仮に設備投資を全額借入金で行うとすれば、借入金の返済期間はこの回収期間以上でなければ、資金ショートすることになります。 |
(2)投下資本利益率法 |
設備投資によって追加される資産がどれだけ収益を増加させるかという収益性を見るものであり、算式は次のとおりです。 投下資本利益率(%)=予想増加営業利益÷投下資本(注2) (注2)投下資本=設備投資額+売上債権増加額+棚卸資産増加額 以上のように、新たな設備投資による投下資本利益率が、仮に現状の総資産利益率よりも下回るものであれば、販売計画の見直しによる売上の増加や運転資本回転率の改善などを再検討する必要があります。 |
(3)正味現在価値法 |
正味現在価値法は、設備投資によってもたらされるキャッシュフローを現在価値に直して、現在価値の合計が設備投資より大きければ実行、小さければ見送るという判断方法であり、算式は以下の通りです。 正味現在価値額= 年々のキャッシュフロー増加額(注3)の現在価値合計−設備投資の現在価値合計 (注3)年々のキャッシュフロー増加額=税引後利益+支払利息+減価償却費 以上の三つ計算方法には、それぞれ問題点もありますので、設備投資の意思決定には、この採算ベースの結果だけでなく、あらゆる情報を収集分析して総合的な判断のもとで方向性を出すようにして下さい。 |
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