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22:2003/12 |
<企業格付自己診断を活用した企業再生について>
1)企業再生とは | |
企業再生とは、黒字化の可能な事業と赤字事業をきちんと区別し、不採算事業の整理と可能性のある中核事業を見極めて、事業戦略の再構築とそれを前提にした経営機能の再設計を行い、事業収益構造の改善を実現して企業再建を果す事です。中小企業にとってこの企業再生の可能性の評価としてTKCの企業格付自己診断システムを活用し、企業格付けをアップすることで企業再生を目指そうとするのが「企業格付自己診断システムを活用した企業再生」です。 | |
2)企業格付自己診断システム | |
TKCの企業格付自己診断システムは、銀行の信用格付を前提にしています。即ち、銀行の融資先企業の企業評価である信用格付けを前提にして、企業がどこの債権者区分(正常先、要注意先、要管理債権先、破綻懸念先、破綻先等)に位置付けられるかを明示し、そこに位置付けられた原因と、原因を改善するための方向性(手法)を明らかにしてくれるシステムです。従って、この企業格付自己診断システムを使って、自社の現状を把握し、企業格付をアップするための手法を実践する事で、企業体質の改善と再生を目指そうというものです。 | |
3)企業格付けをアップするには | |
銀行の信用格付は、財務評価(定量評価)と非財務評価(定性評価)及びその他からなります。定量評価と定性評価で約90%を占めますので、この二つの評価を改善し高める事が、企業格付けアップという事になります。実務的には日常の業務処理の中で行うものから、本格的な企業再生計画を作成して行うものまで様々な方法が実施されます。ちなみに、格付アップのための取組み方の手順を示せば以下の通りです。
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4)財務評価(定量要因)の改善ポイント | |
1.安全性 | 安全性は、自己資本比率、有利子負債比率、固定比率、固定長期適合率、流動比率、当座比率、借入月商比率等があり、これらの数値を改善する事になります。 |
2.収益性 | 売上高経常利益率、総資本経常利益率、売上高支払利子率、収益キャッシュフロー等があり、これらの数値を改善する事になります。 |
3.成長性 | 経常利益増加率、自己資本比率増加率、売上高増加率等があり、これらの数値を改善する事になります。 |
4.返済能力 | 債務償還年数、インタレスト・ガバレッジ・レシオ、経常収支比率、フリーキャッシュフロー等があり、これらの数値を改善する事になります。 |
5)財務評価(定性要因)の改善ポイント | |
非財務評価(定性要因)については、改善が可能な項目については、すぐにでも取り掛かる事が重要です。改善ポイントは以下の通りです。 | |
1.経営理念 | 経営理念を作り、企業の方向性を明示します。 |
2.経営計画 | 経営計画を作成し、社長が経営に前向きである事を示します。 |
3.社員教育 | 社員の電話応対、挨拶などのマナーを教育し、会社の雰囲気が良く、従業員の質が高いという企業風土を作り上げます。 |
4.後継者育成 | 高齢者の経営者は、後継者を育成し、後継者の確定を早めます。 |
5.その他 | 市場動向、競合状態、競争力、商品力、販売力等、自社の強みをアピールします |
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