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22:2004/4

<電子カルテが歯科診療を変える>

T 電子カルテとは
 電子カルテとは、文字通り、従来から使われている紙のカルテをコンピュータ上で電子情報として実現するものであり、簡単に言えば、患者の診療経過、即ち、診療→所見→処置→検査→処方の診療行為の記録をデータベース化する事です。
 診療情報を電子化する事で、医療情報の共有と、処方箋の標準化並びに医療事務の合理化を目指そうとするシステムが、電子カルテ(診療情報)システムです。
U 歯科診療における電子カルテシステムの概要
1)サーバー
 サーバーとは、各種システムを制御する機能をもつとともに、情報(データ)の倉庫としての役割も兼ねます。例えば、窓口業務を見たときに、窓口業務に関する以下のような情報(データ)がサーバーに格納(電子化)される事になります。
 @診療予約や治療経過等の患者基本情報
 A新患か再来患者かの問診情報(受付内容)
 B診療カルテ(診断・検査・処置・治療)の内容
 C診療報酬の計算データ
 D請求内容と未収金の情報や領収データ
 E薬品や材料の発注・納品データ等

2)事務室の会計・財務管理システム等
 事務室の業務は、窓口業務・医療事務・薬局事務・購入事務・支払事務・経理事務に大きく分類できます。窓口業務は受付業務と管理業務であり、医療事務は主として診療報酬の計算と請求業務であり、薬局事務は薬品の発注・検収・支払業務となり、購入事務は薬品以外の消耗品等の購入事務となります。また、支払事務は給与の支払業務が中心であり、経理業務は会計取引の記帳事務が中心となります。
 これらの事務作業や業務情報を電子化しようとするシステムです。

3)診療室の電子カルテ(診療情報)システム
 まさしく、医師の診察に基づく病名・病状・所見・処置等の内容を電子化するシステムです。

4)技工室の技工オーダーシステム
 診療室の電子カルテシステムから送られてくる情報に基づいて歯科技工の検査・処置を電子化するシステムです。
V 歯科医療情報の電子化のメリット
 事務室・診療室・技工室がLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)上で電子化されて結ばれた場合、以下のようなメリットが生じると考えられます。

1)各種の医療事務の合理化
 医療事務をはじめとして、薬品事務・購入事務・支払業務・経理事務等の業務が電子化される事により、分離・計算・集計・分析等の作業が合理化され、時間短縮がはかれます。

2)医療情報の標準化
 医療情報が電子化される事により、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士等にとって、患者基本情報・病歴情報・検査結果情報・処方・処置情報等の標準化と、これらに関する過去データを蓄積し累計化する事で検索や閲覧の簡略化及び効率化する事が可能となります。

3)医療情報や指示事項等の共有化
 歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・事務担当者等の個人対関係者のコミュニケーションや連絡事項及び指摘事項を電子化する事により、知識(関連情報)を共有化する事が可能となります。

4)インターネットとの接続により最新医療技術の入手
 コンピュータシステムを導入する事により、インターネット技術を通じて、医療関連機関にアクセスする事により、リアルタイムに最新の医療技術と医学知識を得られ、診療方法の改善につなげる事が可能となります。

5)二重作業の排除
 歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士や事務担当者が、電子カルテ(医療情報システム)に入力した受付データ・診察データ・検査データ・処置データ・治療データ関連部署に流れる事により、二重作業を排除できます。(例えば、保険請求に関係する電子カルテのデータをレセプトシステムに流せば、レセプトへの別途入力の手間が省ける。)
です。
W 歯科診療における医療情報の電子化にあたっての留意点
1)電子化にあたって、現在における事務室・診察室・技工室等の手書きシステムをまず分類・整理する事です。

2)LANシステムを一挙に実現するのではなく、コンピュータシステムに慣れるために、まず入りやすいできるだけ負担の少ない部分から電子化し、入力や操作に慣れたところでLANシステムに格上げします。

3)最後に電子化する事で紙のカルテで出来なかった事を出来るようにするわけですから、運用面について関係者に対して忍耐と努力を必要とする事の説得を怠ってはなしません。

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