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23:2004/6

<経営革新に欠かせないIT戦略の3つのポイント>

T.はじめに
 中小企業にとって企業体質の改善、経営革新に欠かせない情報技術の戦略的活用は、業務の効率化やコストの削減は言うまでもなく、企業の競争力強化に伴う、企業体質の改善、即ち、利益の創出を目的としています。今回は、利益を生み出すための効果的IT戦略のポイントを説明する事にします。

 

U.IT戦略の3つのポイント
(1)営業革新を実現できるシステムの構築
 これまで、製品・サービスの提供者側が市場とコントロールできましたが、今日では、買い手側によって市場がコントロールされるようになりました。そのために、従来の伝統的な大量消費型の営業は通用しなくなっています。買い手市場に対応するためには、市場のどこで勝負するか、どのような優位性を発揮するかを明確にして、営業展開する事が、求められるようになりました。即ち、これからは「顧客」から「個客」への対応の変革が求められています。「個客」への対応には、個客データを前提にした市場の細分化が求められる訳で、ITを活用した営業革新なくして、対応は不可能です。個客のニーズを収集し、分析し、具体的な販促手法を見極めて効果的な営業を実施するには、ツールとしてのITを活用する以外にありません。

 

(2)業務プロセスの総合化
 営業を変革しても、それにつながる一連の業務プロセスが改革されなければ、結果としての効果は期待できません。これからは365日、24時間営業の体制を可能とする仕組みを構築し、意思決定の迅速化、品質向上、コスト削減、顧客満足度の向上、クレーム対応等、業務に対する素早い対応が求められるようになります。このような要求に対応するためには、業務プロセスの総合を企業内にとどまらず、企業同士の業務プロセスを連携させて競争優位をつくる時代になったと言えます。そのためには、ITを活用して
  1. 迅速で豊かなコミュニケーションの確立
  2. リアルタイムマネジメントの構築
  3. 情報の共有によるオープンな経営を実現する事です。
(3)オープン経営の実現
 オープン経営の実現には、3つの条件が必要とされます。
  1. 経営情報の開示
  2. 個別成果の明確化と開示
  3. 評価基準の明確化と開示です。


これからは、経営のオープン化を図って従業員満足度を最大化する仕組みを構築しないといけません。オープン化する事で、個人のモチベーションを高いレベルに維持し、やる気を創造する事が求められています。そのためには、個人のモチベーションの状態を計数的に時系列的に把握できる仕組みや、リーダーとメンバーの関係を必要以上に固定化させない事が重要です。このような仕組みを実現するためには、ITを積極的に活用してオープン化の仕組みを構築する以外にありません。


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