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21:2003/05


法的整理による倒産手続きについて

 倒産手続きには、法的整理と任意整理の2つの手法がありますが、今回は法的整理の概要を説明します。法的整理には、その目的が「事業の再建」か「事業の解体」かによって、「再建型法的整理」 、「清算型法的整理」に分けられます。
 
1)再建型法的整理

 ここでは、「民事再生手続き開始の申し立て」以外の再建型法的整理の種類と内容につて整理します。

@会社更生法の開始決定の申立て
 窮地にあるものの、再建の見込みのある株式会社について、再建者、株主その他の利害関係人の利害を調整しつつ、その事業の維持更正を図ることを目的とするものです。株式会社だけが適用の対象で有限会社や合資会社、個人企業などは申請できません。適用を受けると管財人が指名され、今までの役員はほとんど退陣します。

A商法上の会社整理手続きの開始申し立て
 経済的危機にひんした株式会社について、裁判所の指揮監督のもとで、利害関係人がその債権債務を整理して、企業の維持を図る制度です。会社更生法と比較すると、管財人が必要でないため、従来の取締役が経営を続けることができます。
 手続きの進め方、整理案の作成についても利害関係人の自治にゆだねられていますので、会社更生の対象となる企業より一回り小さな企業について、安い費用で簡易かつ柔軟に再建を進めることができます。

B小規模個人再生手続き開始の申し立て
 多額の債務を抱えて経済的に窮地にある個人債務者について、裁判所の監督のもと将来の収入などを原資として債務の一部を弁済することにより、残債務を免除して破産を回避するものです。社会生活の再生を簡易かつ迅速に図るためのいわば個人版の民事再生法です。

C特定調停法による特定調停の申し立て
 特定調停法は、経済的に破たんするおそれのある者がその経済的再生を図るための制度で、この面では民事再生法と共通しています。
 民事再生法との違いを簡単に説明すると、特定調停法は民事調停の一類型であり、合意の効力は調停の当時者となった者のみに及びます。これに対して民事再生法は、再建型倒産法制の一つであり、可決認可された再生計画は、反対債権者をも拘束します。
 

 
(2)清算型法的整理
 代表的な清算型法的整理の種類とその内容について整理します。

@破産の申し立て
 債務者である倒産会社の財産をすべて換価し、これを債権者の優先順位と債権額に応じて配当を行う強制執行手続きです。大きく三つの形態があり、債務者である倒産会社自身が申し立てる「自己破産」、会社役員が自分の会社の破産を申し立てる「準自己破産」、第三者である債権者が申し立てる「第三者破産」に分けられます。

A特別清算手続き開始申し立て
 商法上の制度で、解散後の株式会社が対処となります。目的は破産の予防にあり、清算中の会社が破産状態にならないで清算を行うための手段として採られます。

 


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