b-post > ビジネス情報 > 法務> 中小企業新事業活動促進法について

36:2005/6

 

<中小企業新事業活動促進法について>

T.はじめに

今まで中小企業について、創業や、新事業開拓、経営革新等を支援する中枢的な、役割を果たして来た法律には、「中小創造法」「新事業創出促進法」「経営革新法」がありましたが、中小創造法が期限切れを迎える事もあって、3法を整理統合して一本化する事が、中小企業庁で検討されています。その一本化が、今通常国会に提出されている「中小企業新事業活動促進法」です。今回は、この法律で設定される予定の各支援措置の概要について見る事にします。

U.市場環境の変化と中小企業が取り組むべき課題

我が国の経済社会を巡る劇的構造変化(グローバリゼーションの進展と市場競争の激化や急速な少子高齢化と人口減少の到来等によってもたらされる変化)により、中小企業は以下のような課題に取り組むべき事が求めれられています。

    1. ビジネス時間軸の短縮化に対応したスピード経営の必要性
    2. 系列に捕らわれない「機能発注」への対応力向上の必要性
    3. 技術、ノウハウの摺り合わせを通じた高付加価値の実現の必要性
    4. 技術におけるリスクマネージメントの一層の必要性
    5. コアコンピタンシスへの特化の必要性等

以上のような課題に取り組む中小企業者を支援するために、以下の3つの分野について、支援措置を設ける事としています。

(1)創業支援

1.内容 ・・・ 創業の活発化・多種多様な企業の登場は、我が国経済の活性化に不可欠であるため、創業に伴う不透明性、リスクを軽減し、創業活動を促進する。
2.支援対象 ・・・ 創業者
 イ.これから事業を開始しようとする個人
 ロ.事業を開始してから5年未満の個人
 ハ.設立後5年未満の会社
 ニ.分社化して新会社を設立する予定の会社等
3.主な支援措置 ・・・ イ.税制
 コンゼル税制、設備投資減税 留保金課税の停止等
ロ.融資
 国民公庫等による低利融資
ハ.保険
 創業者に対する無担保、無保証保険

(2)経営革新支援

1.内容 ・・・ 国民経済の健全な発展のため、中小企業の創意工夫を前提とした前向きな自助努力により経営の向上を目指す取組を支援する
2.支援対象 ・・・ 経営革新計画について県等の承認を受けた者
イ.新商品の開発又は生産
ロ.新役務の開発又は提供
ハ.商品の新たな生産又は販売方式の導入
ニ.役務の新たな提供の方式の導入等により
その経営の相当程度の向上を図ること
3.主な支援措置 ・・・ イ.補助金
 新商品、新技術、新役務開発や販路開拓等の経費を補助
ロ.税制
 設備投資減税、留保金課税の停止
ハ.融資
 中小公庫等による低利融資
ニ.保険
 新事業開拓保険の対象となるものについて付保限度額の拡大

(3)新連携支援

1.内容 ・・・ 経営資源の限られる中小企業において「強み」を相互に補充しながら中小企業が他社と連携することを後押しし、市場化、事業化につながる取組を支援する
2.支援対象 ・・・ 新連携計画(仮称)について国(地方支分局)の認定を受けた者。新連携とは、複数の事業者が異なる事業分野で蓄積したノウハウ技術等の経営資源を持ち合い、それらが融合することで初めて可能となる事業活動を行うことで、新たな需要の開拓を行うグループの事を言います。
3.主な支援措置 ・・・ 経営革新支援の支援措置に準じます。なお、補助金については、連携体内の規約作成、システム構築・新商品開発等に係る実験、試作等の経費に対する補助です。


BACK


Copyright (C) 2005 b-post.com. All Rights Reserved.