中小企業の場合、経営内容に関する開示情報がきわめて少ないので、財務データ以外の経営に関する情報の入手工夫が必要となります。そこで、中小企業のリスク度チェックに関する見方のポイントについて説明する事にします。
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(1)業界動向のチェック |
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中小企業の場合、業界動向に大きく左右されます。ですから、業界全体の代表的な企業の動きには、注意を払うべきです。また、下請け企業であれば、親会社の動向がポイントになります。つまり、その業界と取引先企業並びに親会社の動向をチェックする必要があります。
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(2)取引条件変更の要請 |
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得意先が取引条件の変更を要請してきた場合には、要注意です。特に手形サイトの長期化要請などは、資金繰りに問題が顕在化しつつあると見てよいでしょう。従って、経営内容の悪化の兆しについて調査し、リスク回避策の検討を始めるべきです。
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(3)仕入動向の変化 |
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商品の仕入れ数量や返品数量が不自然に変化する場合も要注意です。これまでに例を見ない大量の商品発注については、その内容を調べることが必要です。こうした変化は、営業マンが日頃から注意をしていればわかるものです。日頃の営業マン教育を強化しましょう。
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(4)社内の変化 |
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通常、経営内容が悪化してくると、社内の空気が悪くなります。そして社員の出入りが激しくなってきます。特に、実力のあるベテラン社員が次々と辞めていく場合は、要注意段階の兆しといえます。社内の変化に関して、社長の動きとも合わせて、その理由動向をさぐっておきましょう。
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(5)経営内容の噂のキャッチ |
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情報はなるべく多いほうが良いです。従って、情報を入手するためのルート整備は不可欠です。即ち、日頃から同業他社などと情報ルートづくりを進めておき、破綻が懸念されるような状況(噂)もキャッチできるよう普段から、情報ルート作りに努力しましょう。
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