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38:2005/5


<目標達成のために短期経営計画を作成しましょう>

T.経営計画策定は、社長の仕事です

中小企業庁が行った「企業金融環境実態調査」では、債務超過企業に対する金融機関の対応として、以下のような興味深いデータが出ています。即ち、計画を具体的に作成している中小企業では、約6割の中小企業が金融機関から資金調達が出来たと答えている反面、計画を具体的に作成していない中小企業では約半分の中小企業が金融機関からの資金調達が円滑に出来なかったと答えています。このように、経営計画を具体的に作成していると金融機関からの円滑な資金調達に効果があるようです。 

  1. 経営計画は社長の意思の表明
     経営計画は社長の意思表明です。会社を成長発展させる、あるいは倒産させないためにも、どのような舵取りをするかを決め、その方向性を経営計画として明確に打ち出すことが必要です。それにより、社員には目標とそれを達成するために何をしたらよいかが明確になり、社員のヤル気も引き出せるのではないでしょうか。
     
  2. 経営計画は社長自信が作る
     経営計画は、自社の未来を決めるといっても過言ではないほど重要な仕事です。社長は何をおいても、自分自身で経営計画を作ることが必要です。会計事務所に相談して、TKCの継続MASシステムなどを活用すれば、あまり時間をかけずにできます。企業の経営方針を策定したら、それを踏まえて 、より具体的な単年度の経営計画を立てましょう。
U.短期経営計画の立て方
 短期経営計画は、中長期経営計画を踏まえた、単年度で行うべき具体的な行動計画です。そしてこれを数値化したものが「予算」です。

<短期経営計画>
計画の目的 年度ごとの実行計画を策定する
主な領域 実行計画、予算編成
計画期間 原則として1年
主要なテーマ 売上高・限界利益計画、固定費計画、部門別・セールスマン別販売計画、在庫計画、回収計画等
  1. 利益計画を立てる
     短期経営計画、特に次年度などの経営計画を立てるときは次の事項をまず検討します。そして試算して組み立てていきます。このうち適正利益を獲得する計画が利益計画になります。

    <検討ポイント>
     
    (1) 次期の目標経営利益をいくらにするか?
    (2) 次期の売上高の伸びをどう見るか?
    次期の売上高をいくらにするのかといったことを検討します。
    (3) 次期の限界利益率(粗利益率)はどれだけ確保するのか?
    仕入価格を下げるなどして今期より限界利益率を高めることは可能か検討します。
    (4) 次期の社員の給与・賞与をどうするのか?
    社員の給与等を今期と同じとするのかといったことを検討します。
    (5) 次期の社員(役員を含む)数を何人とするのか?

     

  2. 販売計画を立てる
     目標の実現可能性をより高めるには、単年度の行動計画を作成することが必要です。年度の行動計画を月別に展開して「だれが、何を、どうする」といったレベルまで落とし込むことが大事です。
     「販売計画」は、利益計画に示された必要利益を上げるのに必要なものです。そこでは「だれが」「何を」「どれあけ」「どこに」「いつまでに」売るのかを計画します。なおその際、商品ごとに、どの戦略で販売していくのかも決めます。
     
  3. 社内会議で毎月チェックする
     計画は立てっぱなしではなく。定期的に社内会議で「業績検討会」を行います。ここでは、実績と計画との差異の分析を項目別・部門別に行い、目標利益に対する達成度合いを把握します。そして計画どおりすすんでいなければ対策等を検討し、タイムリーに講じます。つまり「Plan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Action(対策)」のサイクルにより業績を管理することが必要です。

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