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11:2002/03


確定拠出年金の企業型と個人型の概要

 確定拠出年金制度は、「企業型年金」と「個人型年金」の二つのタイプが設けられますが、企業型年金は、企業が従業員の退職後の年金や一時金を給付するための原資として、個人型年金は、老後の生活資金をまかなう貯蓄に対する優遇策という色合いが濃い制度です。なお、企業型と個人型の内容をまとめると以下のようになります。
  企業型 個人型
@給付方法
老齢給付金 60歳到達を支給事由とする。ただし、一定年数以上の加入年数を要件とする。年金または一時金で給付。
障害給付金 高度障害を支給事由とする。年金または一時金で給付。
死亡一時金 死亡を支給事由とする。給付は一時金のみ。
脱退一時金 離転職等により、制度に加入し得ない者となった場合、当分の間、加入年数が3年以下の場合でも、脱退一時金の支給を受けることができる。
加入者は、遅くとも70歳までに受給を開始するものとする。
A受給権 3年以上勤務する者に対しては、全額受給権を付与する。 個人拠出分は、拠出時に全額受給権を付与する。
B制度の運営 企業・・・
@労使合意に基づいて確定拠出年金規約を定め、主務大臣の承認を受ける
A運営管理機関と資産管理機関を選任し、監督する(企業が自ら運営管理機関の業務のすべて、または一部を行うことができる)
B掛け金を資産管理機関に払い込む
運営管理機関…個人ごとの資産残高を記録・管理する
国民年金基金連合会・・・
@加入申込みの受付、掛け金のとりまとめなどを行う
A登録運営管理機関を選任し、加入者自身が運営管理機関を指定する。
企業の従業員…企業が従業員の掛け金を給与から天引きし、国民年金基金連合会に払い込む(限度額の管理は企業が行う)
自営業者など…個人個人で国民年金基金連合会に払い込む(限度額の管理は国民年金基金連合会が行う)
C加入者の対象 企業型年金を実施する企業の従業員で、加入時年齢60歳未満の者。確定拠出年金規約に定める内容に従って加入する。 企業の従業員、または自営業者等で、ともに加入時年齢60歳未満の者。国民年金基金連合会に申請して加入する。

※厚生年金基金・適格退職年金等を実施しておらず、かつ、確定拠出年金の企業型年金を実施していない企業の従業員のみ。
D拠出の方法と限度額 企業が、確定拠出年金規約に基づき、拠出限度額の範囲内で掛け金を拠出し、従業員の個人拠出は認められない。拠出には限度額を設け、限度額管理は企業が行う。

拠出限度額
企業年金(厚生年金基金・適格退職年金)なし→年432,000円(月36,000円)
企業年金(厚生年金基金・適格退職年金)あり→年216,000円(月18,000円)
個人型年金の加入者は、拠出限度額の範囲内で任意に掛け金額を決定し、拠出する。国民年金の保険料を滞納中は拠出できない。企業の従業員の拠出は、原則として企業を通じて行う。

拠出限度額
企業の従業員
→年180,000円(月15,000円)
自営業者等
→年816,000円(月68,000円、ただし国民年金基金と通算)
E運営方法
運用指図 企業拠出分・個人拠出分を問わず、運用指図は加入者が行う。運用指図は運営管理機関に対して行う。
運用商品 時価評価が可能で流動性に富んでいるもの(預貯金・公社債・投信・保険など。なお、個社株・自社株は可、動産・不動産は不可)3つ以上(個社株《自社株を含む》または個別社債が入る場合には、それらとは別に3つ以上)。元本確保商品を一つは入れる。
運用商品の変更 運用商品の預替え頻度については、少なくとも3ヶ月に1回以上。

 


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