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27:2004/09

<パート・アルバイトの採用と育成について>

T.はじめに
 バブル経済崩壊以降、人件費の軽減に追われた企業は、コストが安い非正社員(パート・アルバイト)の活用を常識として推進してきました。しかし、ここへ来て、年金改革で話題になったパートへの厚生年金適用や、少子化の推進による労働力不足は、パートやアルバイトといった非正社員の戦力化をどのように行うかが、企業の競争力を左右する問題になりつつあります。これまでの非正社員に対する常識をあらため、雇用に関するベストミックスを実現できるよう、新たな取組みが求められていると言えます。そこで今回は、パート・アルバイトの採用と育成について見る事にします。
U.ビジョンを共有できる仲間を採用

 これまで、パート・アルバイトに対する常識は、簡単で短時間でマスターできる責任の軽い業務を担当させ、コストの削減を図るでした。このような常識を前提に、パート・アルバイトの採用が実施されていた事は否めません。しかしこれからは、(1)同じ働きには、正社員と同様の報いを行い、(2)パート・アルバイトを戦力として育成する。(3)軽い業務だけではなく、中核業務、戦略的事業にパート等を活用するという常識が求められます。このような常識に立ってパート・アルバイトを採用するには、以下のようなポイントを見極めるべきです。

  1. 価値観を共有できる仲間を求める
    なぜいけないのか、どうしたら良いのか等、価値基準を示しそれを共有化する。
  2. 情報を共有出来る仲間を求める
    パート・アルバイト等といっしょになって、業務のシュミレーションが出きるように情報や動向を共有化する。
  3. ノウハウを共有出来る仲間を求める
    役員、正社員、パート、アルバイト等が取得したノウハウを共有出来る仕組みを作り、それに適応出来る仲間を求める。
  4. 情を共有出来る仲間を求める
    同じ価値観の下で、同じ目的を実現するために協力しあえる仲間を求め、絆を強める。
  5. 目的を共有出来る仲間を求める
    同じ目的を目指す事によって、情を共有し、絆を深める事が出来ます。この絆を前提に、権限を委譲し、仮説、実行、検証を繰り返したいものです。

V.効果をあげるための育成カリキュラムづくり

 採用後、新人を短期間で、しかも、正確に1人前に育てるには、(1)トレーニングマニュアルを作成する、(2)そのマニュアルに沿って教育する、の2点です。実際にトレーニングマニュアルをつくる場合、次の3つの面からアプローチします。

 イ.教育プログラム作成する
 ロ.何段階か到達レベルを設定し、それぞれのレベルで何を教えるかを決定していきます。
 ハ.イ・ロをふまえて、トレーニングマニュアルを作成する
 

 育成・教育は、一人の人間として温かく接すると同時に、一人の人間としてふさわしい形で業務を遂行出来る能力の育成が目的です。そうは言うものの、トレーニングの一貫として、業務毎の作業マニュアルの作成は欠かせませんが、その作成ポイントは以下の通りです。

  1. 一つ一つ短い文章にする
  2. 一つの文章に一つの意味しか盛り込まない
  3. 見出しをたくさん設ける
  4. 文字は大き目にする
  5. 箇条書き基本とする
  6. イラストをたくさん使い、分かりやすくする
  7. イラストは親しみやすい感じに仕上げる  

以上のような点に、留意しながら作成する事になります。


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