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28:2004/10

<インターネット時代の就業規則について>

T.はじめに
インターネット時代に対応した就業規則に改める場合の基本的な考え方としては、自社の情報管理(知的財産権の保護、セキュリティ教育、社内情報の漏洩対策、悪意の第三者(ハッカー)対策等)をどのように位置づけるかにより、「情報管理規程」のように個別の規程を設けるか?社員の就業態度全般に対する倫理規程のようなものに盛り込むか?等対処法が異なりますが、今回はインターネット時代に対応した就業規則はどうあるべきかを考える事にします。
U.作成義務
労働基準法によれば、「常時10人以上の労働者を使用する使用者」は、就業規則を作成する義務があります。ここでいう「労働者」というのは、必ずしも社員に限らずパートタイマーや嘱託社員など、正社員以外の社員も含まれます。なお、労働基準法によれば、就業規則の記載事項は、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項、及び必要に応じて任意に記載する事項とに分けられます。
V.記載事項
(1)絶対的必要記載事項
  労働基準法によれば、必ず記載しなければならない事項は、以下の通りです。
  1. 始業や就業の時刻、休憩時間、休日、休暇(育児休業や介護休業を含む)と従業員を2組以上に分けて交替でで勤務させる場合には、就業時転換に関する事項
  2. 賃金の法定や計算方法、賃金の締日や支払方法・支払時期、昇給に関する事項
  3. 退職に関する事項
(2)相対的必要記載事項
  1. 退職手当・その他の臨時に支払われる賃金や手当、賞与や最低賃金の定めをする場合においてはこれに関する事項
  2. 労働者に食事や作業用品、その他の負担をさせる定めをする場合においてはこれに関する事項
  3. 職業訓練、安全や衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  4. 災害補償や業務外の傷病扶助に関する定めをする場合に、その種類及び程度に関する事項
  5. 表彰の制裁の定めをする場合においては、その種類や程度に関する事項
W情報管理等に関する規程
情報管理に関する規定の内容としては、
  1. 社内情報に関する定義
  2. 社内情報の漏洩禁止
  3. 社内ネットワークの安全性確保
  4. 情報機器等の取扱要領
  5. 知的財産権に関する指針、留意事項
  6. システムの運用、保守管理
  7. 情報の秘密保持義務
  8. セキュリティの教育対策
  9. 重要データの管理義務
  10. 罰則規程等が考えられます

これからの就業規則では、情報管理服務規程を作成し、会社の情報資産をしっかりと保全して、情報漏洩を防止し、もって社会的責任を果たしたいものです。


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