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29:2004/12

<中小企業の人事制度改革の視点について>

T.はじめに
厳しい経済環境下のもと、企業を支える経営者、経営幹部、一般社員の業務への意欲を喚起させ、いかに組織を活性化させるかが企業経営の大きな課題となっています。そのため、経営の主要な機能である人事制度を見直し、変革する新しい時代に対応した人事制度に改める場合の視点を
  1. 人事基本理念
  2. 人事体系
  3. 人事考課制度
  4. 賃金配分
  5. 能力開発
  6. 制度改革の運用 の6つの切り口で見る事にします。
     
U.人事制度改革の視点
1)人事基本理念
人事制度の改革にあたっては、企業として、どのような人事制度を構築したいのかを真摯に考え、明確な考え方、方針を明らかにする事が重要です。いつの時代でも、会社発展のために持てる能力を十分に発揮し、積極的かつ自主的に行動し、業績、成果の達成に貢献し、企業の社会的責任を果たした社員に報いる制度を構築する事が、人事基本理念の変革のポイントです。人事制度の変革にあたっては、この基本を踏まえて自社の歴史、企業風土、組織業務のあり方等も考慮に入れて取り組みたいものです。
 
2)人事体系
人事制度を運用するには社員の役割、責任、発揮させる期待能力等を観案し、かつ自社の組織体系や従業員数を加味して、何段階かのレベルに区分する人事体系を設定する事がポイントとなります。これまで定められているレベル区分を見直し、期待されている基準を明示する事が必要です。例えば、
  1. どのような役割責任を担ってもらいたいのか
  2. そのためにはどのような職務ないし仕事をどのように果たしてもらいたいのか
  3. 命じられた業務を期待通り遂行するために、どのような能力をどのように発揮して欲しいのか等、
    レベル区分に応じて、体系化されるべきです。
3)人事考課制度
人事効果制度の変革は、社員に期待する基準事項の充足度合いや発揮度合いを考課する仕組みをいかに構築するかにかかっています。人事考課制度は極力、社員に公開し、人事効果内容、誰が誰に考課されるのか等、考課の段階とその要求基準等を明確にしておく事が重要なポイントになります。
 
4)賃金配分
賃金は一般的に月給、賞与、および退職金に分類されます。このいずれにも、業務成果重視の考え方が大勢になりつつあります。
  1. 月給
    月給(月次賃金)は、社員の生活の土台となる基本賃金です。一般的には生活保障的な生活給の要素と業務への貢献としての成果給から構成されるようになってきています。生活保障給としての賃金部分と業務の成果給としての賃金部分との割合をどう見るかは経済情勢等の時代背景が大きな影響をもつと思われます。
     
  2. 賞与
    賞与については、目標に対する達成度で支給する、いわゆる成果配分的意味合いが大きなウェイトを占めつつあります。従って、経営者は社員に財務内容を公開し、毎年、年度始めに達成すべき業績目標と賞与の支給率について提示し、全社をあげて目標達成に向けて頑張るという経営体制を築き上げる必要があります。
     
  3. 退職金
    退職金については、社員の退職後の生活保障であり、給与の後払い的性格の強い賃金でした。しかしながら年金制度の改正、高齢者雇用促進策の推進あるいは、国際会計基準の導入等により、退職金支給も、会社在籍中の業績貢献度と反映したもにしようとする制度改定の動きが活発化しつつあります。
5)能力開発
企業が存在、維持し発展していくためには、優れた経営者、管理者、社員が存在しなければなりません。そのためには、会社の将来を真摯に熟慮し、どのような能力開発を指示すれば良いか等、人材育成計画を効果的に作成しなければなりません。
 
6)制度改革の運用
制度変革の目的は新しい制度を構築し導入する事ではなく、改革の趣旨や考え方、方針を社内に周知徹底し、正しく運用し効果をあげる事にあります。従って
1.幹部社員や社員の意識改革を図る
2.社員の就業管理を徹底し、無駄な時間外労働をさせない
3.今後の運用は決められた規則に従い、実行し、勝手に内容変更等をしない等、変革に積極的に取り組む仕組みが必要です。

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