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03:2001/02


災害時に伴って支出した費用の取扱い

1.法人税の取扱い

 災害等により毀損した建物・機械装置・器具備品・車輌運搬具等(以下固定資産等)について、支出した費用については以下のように取り扱われる。

(1)現状回復が望めない場合

災害等により毀損した固定資産等が、修理当により災害前の状態に回復することが望めない事から、その固定資産等を取り壊し、廃棄、除却する場合には、その取り壊し等の直前における帳簿価額(処分見込価額を控除した金額)と取り壊し等に要したその年度の損金の額に算入する(基通7-7-2)。

(2)現状回復が望める場合

1.災害前の原状回復費用等である場合

 災害等により毀損した固定資産等について、災害前の現状に復するための支出は、修繕費としてその年度の損金の額に算入する。(基通7-8-2)

  (例)

  1. 損傷した事務所の壁の塗り替え

  2. 損傷した事務所の床の取り替え

  3. 損傷した事務所の窓ガラスの取り替え

  4. 損傷した車庫の瓦の取り替え

  5. 損傷した工場の機械装置の移設費用 他

2.新たに品質または性能の高いものに取り替える場合

 災害等により毀損した固定資産等について、災害前のものと比較してその品質・性能・機能等において、明らかに向上すると認められる場合、その 措置に直接要した金額は、基本的支出として資産に計上し、減価償却の手続きを行う(基通7-8-1)。

  ただし、その支出額が20万円未満であれば、修繕費として処理してもよい。

3.災害等の場合の特例

 災害とにより毀損した固定資産について支出した費用について、資本的支出と修繕費との区分が不明な場合には、便宜上その30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出として処理することが認められている。(基通7-8-6)

〔2〕所得税の取扱い

(1)事業用固定資産(法51条、70条)

 事業の用に供されている建物・機械装置・器具備品・車輌運搬具等(以下固定資産等)について、災害等により取り壊し・除却・滅失が生じた場合には、その損失の金額を各種所得(事業・不動産・山林)の金額の計算上、必要経費に算入する事ができる。具体的な取扱いは法人税に準ずる。

 なお、災害による損失は白色申告の場合も3年間の繰越しが認められる。

(2)家事用資産(法71条、法72条、災免2条)

 生活に通常必要な資産(住宅や家財等)で、納税者本人及び本人と生計を一にする配偶者やその他の親族の保有するものについて、災害等により滅失が生じた場合には、雑損控除の摘要があり、青色・白色を問わず、控除しきれない金額は雑損失の金額として3年間の繰越控除が認められている。

 なお損害金額(保険均等により補てんされた金額を除く)が、住宅家財の価額の50%以上である場合に、雑損控除に代えて、災害減免法による所得税の 減免を選択する事が出来る。


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