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27:2004/9

<交際費などと類似費用との区分について>

T.税務上の交際費などの取扱い
(1)法人の場合(法人税の場合)
 法人税法上交際費などとは、会社が得意先、仕入先その他事業に関係がある者など(株主、役員、従業員などが含まれます)に対して、接待、供応、慰安、贈答などのために支出する費用をいいます。交際費などの額は、原則として、その全額が損金不算入とされています。ただし、資本金が1億円以下の法人については、400万円までの支出額については、その出額の10%が損金不算入とされています。

(2)個人の場合(所得税の場合)
 個人が支出する交際費などの額は、基本的には家事上の費用と考えられます。従って、専ら業務の遂行上、直接必要と認められるもので、その支出を明確に区分できる場合に限って必要経費に算入する事ができます。法人税法の場合のように限度額の制限はありません。

 

U.類似費用との区分
 会社のお得意様に日ごろの感謝を込めて宴席を設けたり、品物を贈ったりすることは、だれがみても交際費に該当することは疑いありません。
 交際費の法人税法上の取扱いが難しいのは、一見交際費には該当しないと思って支出した費用が交際費とみなされ、損金不算入の対象となることが多いからです。よく問題となる支出についてみていきましょう。

1)リベート
 商品の販売促進策として、得意先である会社に対して売上高や営業での協力度合いなど一定の基準により支出する費用は、売上割戻し(リベート)となり、交際費にはなりません。
 しかし、旅行、観劇などに得意先を招待する費用は例え売上割戻しと同様の基準により行われる場合でも交際費とされます。

2)福利厚生費
 従業員のための忘年会や歓送迎会で支出した費用は、通常、福利厚生費として問題ありませんが、たとえば高級レストランで豪華な遊興をするなど、常識的な範囲を超える支出は交際費となります。

3)会議費
 法人税法では「会議に際して社内または通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物の接待に要する費用」については、会議費として処理することが認められています。なお、会議には来客と商談・打合せなども含みます。

4)広告宣伝費
 広告宣伝費は、不特定多数の者に対する宣伝効果を意図して支出する経費です。たとえば、小売業者が商品を購入した一般消費者に対して景品を交付したり、一般の工場見学者に製品を試飲・試食させたりする費用など、支出の対象は一般消費者を想定しています。
 このため、一般消費者ではなく、得意先や仕入先など特定の先に金品を交付すると交際費となります。ただし、得意先に対するものであっても、見本品や試供品の供与に通常要する費用は広告宣伝費として構いません。

5)旅費交通費
 法人税法上の交際費は、形式的なとらえ方をするのではなく、旅行、供応などに関連して支出するもの全てを実質的にとらえます。したがって、タクシー代のよに形式的には交際費に該当するものであっても、その使途によっては交際費に含めるべきものもあります。たとえば、負担したタクシー代が得意先の社長の接待に関連して支出する費用であれば、交際費に含まれる事になります。

6)記念パーティーの費用とご祝儀
 得意先を招待した創立記念パーティーなどの費用は当然、交際費となります。この際に得意先からご祝儀を受取った場合、パーティー費用総額からご祝儀を差し引いた額が、会社の実質負担となります。
 しかしながら、この場合のご祝儀は、招待された得意先が任意に支出したものであり、あらかじめ協議してパーティー費用の一部を負担した訳ではありません。従って、パーティー費用の全額が交際費となり、ご祝儀は会社の雑収入として取り扱われます。

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