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28:2004/10

<法人・個人間の建物等の貸借について>

T.個人が法人から建物を借りる場合
1)役員が法人から建物を借りる場合

(1) 一般の自社所有建物の場合
 以下の計算式で算定した賃貸料相当額と徴収賃貸料額との差額が給与として課税されます。

賃貸料相当額
(月額)

={ 家屋の固定資産税
の課税標準額
× 12% (耐用年数30年超は10%) 敷地の固定資産税
の課税標準額
× 6%   } ×  1
12

(2) 借上社宅の場合
 以下の計算式で算定した賃貸料相当額と徴収賃貸料額との差額が給与として課税されます。

賃貸料相当額
(月額)

使用者である法人が支払う借上げ料の 1 相当額と上記(1)により計算した金額のうちいずれか多い金額
2

(3) 小規模住宅の場合
 以下の計算式で算定した賃貸料相当額と徴収賃貸額との差額が給与として課税されます。

賃貸料相当額
(月額)

家屋の固定資産税
の課税標準額
× 0.2% + 12円 ×  家屋の総床面積(平方メートル) 敷地の固定資産税
の課税標準額
×0.22%
3.3平方メートル

 

 なお、小規模住宅とは床面積が132平方メートル(耐用年数が30年を超えるものの場合は床面積が99平方メートル)以下のものをいいます。

(4) 公的使用部分がある場合
 会議室等の公的部分にあれられた部分がある建物等については、上記(1)から(3)までの計算式により算定した通常の賃貸料相当額の70%以上を徴収していれば差し支えありません。

 

2)使用人が法人から建物を借りる場合
 法人が使用人に対して建物を貸与している場合には、以下の計算式で算定した賃貸料相当額とその徴収している賃貸料額との差額が給与等として課税されます。

賃貸料相当額
(月額)

家屋の固定資産税
の課税標準額
× 0.2% + 12円 ×  家屋の総床面積(平方メートル) 敷地の固定資産税
の課税標準額
×0.22%
3.3平方メートル

 

U.法人が個人から建物を借りる場合
 法人が個人から建物を借り上げる場合の借上げ料(家賃)については
  1. いわゆる相当の対価以下の支払の場合
  2. いわゆる月額の対価を超える支払の場合の2つの状況が考えられます


1.の場合は、支払わない事による経済的利益が法人の所得の計算上反映されていますし、個人の所得税の課税上も不動産所得の認定課税の制度はありませんので、別段の課税関係は生じないものと考えられます。

2.の場合は、相当の対価を越える部分について、その個人の法人内における地位、内情等により、給与・賞与・配当・その他雑費等として認定される場合が考えられ 、その部分については、法人の所得金額の計算上、損金の額への算入が認められないこととなる場合も考えられます。
 

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