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四十の手習い、足習い


“バトミントン”と言うスポーツを知っていますか?
「あー、あのラケットを持って 羽根をつく “あそび”ね」 皆さんの認識は、この程度かと思います。バトミントンの選手も陣内貴美子ぐらいしか テレビに出ないですね。
この「羽根つき」に、すっかりはまってしまったオヤジの話です。
 これと言って何の予定もない日曜日、暇な家族が集まって、卓球かバトミントンでもしようと体育館に出掛けました。
 ママさんバトミントン経験者の奥さま方が、ネットを張り、慣れた様子で羽根を打ち合っていました。
 私たちも子供相手に遊んでいたのですが、「ただ羽根を打つだけでは面白くない。」と元来、勝負好きのおやじ達が奥さま方に試合を挑みました。
 腹が出てきたとは言え、若い頃から野球・テニス・スキーにゴルフとスポーツの王道を極めてきた私は、スポーツのスの字にも入らないマイナーなバトミントンで、おしゃべり奥さま方を“ギャフン”と言わせてやろうと意気込んで、ラケットを握りました。
 奥さま二人vsスポーツおやじ二人のダブルス  11点マッチで試合開始!サーブは、対角線の半分に入れることや、サイドライン、エンドラインの確認をして、おしゃべり奥さまチームのサーブから。
  サーブが、私の頭上に高く上がりました。「うーん甘い甘い」と後方に下がって余裕で相手コートに返球、すると相手は、すかさず私の前に“ポトリ、、、” 「えっ!!」「打ち合うのがバトミントンじゃないのか? まだ1回しか さわってないぞ!」奥さまのポイント1。 「まあ最初はご祝儀と言うことで  まだまだ余裕、、、。」次は、もう一人(運動神経抜群の相方のおやじ)の目の前に小さなサーブがポトリ。「え?!!」、 奥さまのポイント2。「さっきは大きなサーブだったのに、ずるいぞ!」と言いたいのをグッと我慢して三球目。 気を取り直して、大きいサーブでも小さいサーブでも取れるような位置取りをしてラケットを構える。 「大きくても小さくても   どーんと来いだ!」またもや私には、頭上高いサーブが来ました。 難なく打ち返した後、先ほどの様に前に落とされまいと 前方へダッシュ!  予想に反して 今度は 後方へ大きく打たれた。 もう一人のおやじがカバーに入って返球、 「ナイスカバー!!」 と見とれている私の体に  おしゃべり奥さまが“スマッシュ!!” “バチーン!”奥さまのポイント3。
 その後も、右へ左へ、前へ後ろへと走らされて“時には男同士でぶつかり”、“足がもつれて転がり”、“力み過ぎて空振りし”、大汗をかいて試合終了となりました。
 11vs0で奥さま方の圧勝でした。奥さま方は、汗ひとつかかず、私たちの動きに腹を抱えて大笑いしていました。
 結局、その日は、メンバーを入れ替えたり、対戦相手を替えたりしましたが、笑いの種になるだけで1勝もできませんでした。

 その後も、月に1度ぐらいのペースでバトミントンをしましたが、たいして運動神経も無さそうな奥さまチームに勝つことはできません。
「何としても1勝したい!」  「笑われるばかりはもう嫌だ!」
「自他共に認めるスポーツ万能おやじの名がすたる!」   どうすればいいのか!?
 そうだ、やっぱりスポーツは基本が大事、その基本を知らなければ勝てるはずがない。そう考えて、私は鹿屋フィットネスクラブのバトミントン講座に入りました。
 そこには、20代の若い先生が3人、そして、30代から40代の男女30人程の生徒がいました。
 先生達のプレーを見ていると、フォームも大変綺麗で、スピード感溢れ、しかもパワフル。私たちが1勝もできない奥さま方とは比べ物にならないハイレベルのバトミントンと言う“スポーツ”がそこにありました。
 「あぁ、これが本当のバトミントンか!!」感動と驚きで、私はこのスポーツに夢中になりました。ラケットの握り方、何種類もの打ち方、ステップの仕方、等々、基本を次から次へと教わり、体育館の中で大汗をかきながら、最初はすぐにへたばりながらも練習をしました。そのうち、奥さまチームから得点するようになり、1年経つと、たまに勝てる様になりました。
 そうなると益々面白くなり、バトミントンの専門書を買ってきて、サーブやローテーションやフォーメーション等を研究したり、道具にお金をかけるようになって来ました。最近では、週に2回はラケットを握らないと体の調子が悪い様な気がします。
対外試合にも出場するようになり、男子高校生と対戦したり、夫婦ペアで試合に出たりと、色々な楽しみ方が出来る様になりました。
 課題を持って練習に励み、自分の苦手を克服し、一歩一歩上達する喜びを40過ぎて久々に味わっています。

鹿児島県内の試合には、A級からD級まであり、私たち初級者はD級で頑張っています。D級で優勝した“おしゃべり奥さまチーム”は、一足先にC級へと上がっていきました。男子チームは、少しレベルが高く、決勝トーナメントを勝ち進むことは難しいですが、強い相手とたくさん練習を重ねて、早くD級優勝を勝ち取りたいですねぇ!

 この話を読んで バトミントンに興味を持たれた方、又は、若い頃バトミントン経験がある と言う“あなた” 是非、このおやじチームにかかって来なさい!!!

byガボ



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