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データマイニング

 データマイニング。聞き慣れない言葉だ。ちょっとその向きの専門書を調べてみ見ると、『データマイニング』とは、データをマイニング(採掘)して、情報、知識、仮説、課題などを見つけるプロセスを言うとある。実務では、売上拡大、コストダウン、顧客満足度向上等の業績向上の中心的な手法として活用されているらしい。

 ところで、我々財務屋にとって、身近なデータである経営数値は、数値データで見るだけではデータの特徴をとらえるのは困難だが、グラフ化すると分かりやすいというのは一般的な原則だ。我々が、普段、何気なく、取り組んでいるこの手法こそ、データをマイニングして宝物(情報、知識、仮説、課題、傾向)を見つける最良の方法であり、説得力のある手法だと言える。

  ところで、グラフには@時系列データをグラフ化する折れ線グラフ、A各項目の大小を比較して見る棒グラフ、B2つの項目のうち、カテゴリ同士の違いや関連を見るステレオグラム、C割合を見る円グラフ、D二つの項目の関連を見る散布図、E着目した項目のデータの特徴をつかむヒストグラム、F各項目の累計データの全体に占める割合を見るパレート図等がある。データ分析に以上のグラフを組み合わせ、視覚に訴えれば有効なプレゼンテーションツールとなるのだろう。

さて、ここでちょっと頭の体操。
 ある飲食店が、売れる定食メニュー(ランチ)を開発しようと思って、以下のような項目についてアンケートを取って調べて見ることにしました。
 

項 目\メニュー

A水準 B水準

ご飯の量

少ない

多い

おかず 焼肉 焼魚
豚汁 味噌汁
お新香 沢庵 白菜
コーヒー なし 付き
価格 600円 800円

 上に挙げた6つの項目と2つのメニューを組み合わせた定食ランチのアンケートを作成する場合、貴方ならいく通りの定食ランチ(アンケート)表を作成して、来店客に回答してもらいますか?
 言うまでもなく、数学の得意な人であれば、考えられる組み合わせの定食ランチの数は2×2×2×2×2×2=64通りとすぐ分かるはずである。しかし、64通りもの定食ランチ1つ1つに関して、回答させるのは、問題でだ。回答者は、面倒がって途中で投げ出してしまうだろう。
 そこで、どうするか?データマイニングの分析手法を知っている人であれば「直交表」という割り振りを使用できる事を前提にしてアンケート表を作成する事になる。そうする事によって作業量が減少する事はもちろんだがアンケートデータ収集後のデータ分析手法と視覚に訴える為のグラフ表示までをプログラムする事になる。即ち、データの解析可能度に大きな差異をもたらすという訳だ。このようにデータマイニングの手法を知っているか否かだけで結果において、決して取り返せない開きをもたらす事を真摯に受けとめたいと思う。
 世の中案外データマイニングに似たような所で人生の成否が決定しているように思われてならない。

一心不乱 


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