b-post > 今月のコラム > 家庭菜園の面白さ |
去年から近所の畑を80坪ほど借りて家庭菜園づくりを始めました。いやーこれが趣味と実益を兼ねてなかなかおもしろいんです。やってみるもんです。最近は大好きだった釣りもそこそこに、自分でも怖いくらいハマっています。 家庭菜園づくりを思い立ったのは、農家をしていた両親の健康がすぐれず、今年の2月から私たちと同居することになったこと。同じ市内とはいえ住み慣れた実家を離れた高齢の両親にとって、ストレスを発散してもらうには、慣れ親しんだ土いじりが一番と考えたからです。車で10分程のところに自分の畑はあるのですが、移動時間を考えるとちょっとおっくう。そんな中で、ご近所の農家から、自宅のすぐ前にある畑(以前は田んぼ)を使わないかといううれしいお話があったのです。 しかし、畑といっても何年もほったらかしの竹薮で、ネズミ、カエル・ムカデ・ヘビの楽園と化したジュラシックパーク状態。それからというもの、日曜日の午前中は、蚊取り線香、クワ、ナタ、カマなどを総動員し、開墾作業に汗を流しました。トラクタを使えばあっという間に終る作業も、昔からの道具だけでは本当に時間と労力がかかります。機械化による生産性の向上を身をもって実感した次第です。 本当は完全無農薬で作りたかったのですが、長年使っていない畑のため、除草剤とセンチュウ駆除剤だけは当初使うことにしました。開墾した後は、伐採した竹や木を燃やしてできた灰、自宅から出た生ゴミ、購入した石灰、肥料(何種類かを混ぜたもの)の順番で土に与えました。農薬の沈静と土の熟成を図るため、しばらく寝かし、その間は根張りの深い雑草類の草取りに努めました。土が熟成した後は、気合を取り戻した両親の指示を仰ぎつつ、@作物選定→Aウネ作り→B種蒔き→C支柱立て→D追肥→E水かけ→F収穫→G料理→Hお裾分け→I反省といった感じで菜園マネジメントサイクルを楽しんでいます。 これまでの家庭菜園での成果は、サニーレタス、ホウレンソウ、ダンコン菜、ネギ、キュウリ、ナス、ピーマン、トウモロコシ、三尺ササゲ(インゲンマメを長くしたような野菜)、オクラ、ヘチマ、サトイモ、ニガウリなど。特に栽培が容易で成長が早く、長期間楽しめるのでお勧めなのが、キュウリ、ナス、ピーマン。三尺ササゲもその部類ですが、だんだんと筋張ってきて食べにくくなるのが難点。その他に以前からある竹林に生える竹の子、仏壇の供花などに使う10種類くらいの花を含めると、本当におもしろいほど満足のいく実績でした。 反対にあまり出来がよくなかったのが、キャベツ、ジャガイモ、カボチャです。植替時期が悪かっただの、受粉のためのミツバチが少なかっただの、種芋がスーパーで買った1`数十円の安物だっただの、家族での反省会では皆で勝手なことを言いたい放題です。 以前はスーパーに買物にいくと、ついついパック入りの魚と自分で釣った魚を比べて「お父さんが釣った魚より小さいのに390円だって〜」と子供に自慢し「恥ずかしいからやめて」と顰蹙(ヒンシュク)を買っていた私でしたが、今では野菜売場でもその本領を発揮しています。 家庭菜園を始めてから毎日の食卓は採れたての野菜でにぎやかです。土いじりをきらっていた子供たちも、今では自分の好きな野菜の種を植え付けるなど、それぞれの役割を果たしながら家庭菜園を楽しんでいます。 開墾などの重労働が終った今では、両親と家内が家庭菜園の面倒を見ていますが、9月に入ってからは、ダイコン(桜島ダイコンなど3種)、ブロッコリー、カリフラワー、タマネギ、菜っ葉類(3種)など新たな作物の準備が始まっています。また、無農薬状態により近づけるために、除虫効果のあるマリーゴールドを畑にすき込むといった試みも始めました。ド素人ならではの試行錯誤も楽しいものですよ。 |
by垂水のSAT(特殊農業隊) |
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