今月のコラム　+水槽で2匹。

水槽で2匹。

前回コラムを書いて、もう次の当番がやってきました。早いですな1年。そんな僕にはネタが･･･ネタがありませんーー！日記を読み返してみてもマニアックなネタはあっても表でご披露しても良いようなネタが見つかりません･･･（それはそれで困りモノ）。というわけで、去年書いた日記よりちょっとはしょって加筆修正してみました。今までずっとシリーズで書いていた金魚ちゃんシリーズが2回目で止まり疑問に思って下さった方がいらっしゃったら幸い（？）。そんな金魚ちゃんのお話です。

僕は朝起きたら金魚に”おはよぅさん。ご飯食べる？”なんて聞くのが日課です。

　さて、それは昨日の朝の事。いつものように水槽に近づいていくと何かおかしい･･･。いつも僕が近づくと水槽の中で動き回ってご飯をねだる金魚が今日に限ってねだらない。（朝以外にご飯をねだることはない）どうしたのかな？と思いながら近づくと･･･何か力なく浮いている金魚。驚いて水槽を覗き込むと1匹亡くなっていました･･･。その金魚はお口にケガをしていて、大丈夫かな？ちょっと元気ないなぁ･･･。と思っていた金魚でした。

　死んでる？死んでるの？？？とか思いながら、もう一匹にご飯をあげて僕は会社に行きました。”若しかしたら仮死状態で、帰ってきたら息を吹き返してるかもしれない”と思いながら会社に行きました。結局は逃げの考えに終わったのですが･･･。家に帰ったら金魚を埋めるための穴を掘りました。死んでしまった金魚は15cm位あるので、結構大きめに掘りました。サクサクサク。と穴を掘る音が夜に吸い込まれていきます。サクサクサク。普段ならもっともっと周りに音があるはずなのに。その時は僕が穴を掘る音だけしか聞こえませんでした。穴に金魚を埋めて手を合わせます。”この子は幸せだったのかな･･･？”ふと手を合わせながら浮かんだ疑問。死んでしまってから”ああ、こうしてあげれば良かった”とか色々後悔し始めると涙がホロホロ。止まらなくて。止まらなくて。

　僕は”死んでもその心（魂）は生き続けるのだから悲しくは無い”と思っています。そう思っているのに悲しいのは何故でしょうか？涙が零れるのは何故でしょうか？自分が後悔するから？自分が寂しいから？自分を中心に考えると悲しいのでしょうか？じゃあ、その死んだモノを中心に考えたら？悲しくはないのでしょうか？？

　さて、金魚を埋めてお清めをして今度は水槽の掃除に取り掛かりました。（病原菌とかいたらいかんだろうし）キレイになった水槽に金魚が1匹。今朝は僕にご飯をねだってきませんでした。金魚は、もう一匹の金魚が死んでしまったことがやっぱり悲しかったのでしょうか･･･。この金魚たちはこの水槽で2匹で生きてきました。残されたのは人前が少し苦手な子。いつも自分より少し大きな･･･もう死んでしまった金魚の傍に、隠れるように身を寄せていた子。長い時を一緒に過ごしてきて、大事なもう1匹が死んでしまったら、どんなに悲しいだろう。心が痛むのだろう。僕にはわからないけれど･･･。

　これって夫婦にも言える事かなぁと思うのですが、僕は”死ぬなら先に”な方です。もしおいていかれたら後を追って死ぬかな？まぁその時子どもでもいたら死んだりはしませんが。てな事を中学生の時に考えました。トあるアイドルさんがそんな話題を出して”ごめんだけど、自分は先に死ぬほうがいい。好きな人に手を握られて息をひきとりたい。でも、まぁ死ぬなら一緒がいいかな？？”てな感じの事を話していましたが、それもまた幸せだよなぁ･･･とか思いつつ。

　先に死ぬほうも、残されるほうも悔いが残る事がないように！って思うけど、その人が好きなだけ想いは尽きないと思うし、尽きない想いの分だけ後悔は絶対するんじゃないかな？とか思いました。

　我が家の金魚の世界は小さな水槽だけでした。そこから出ることもなく･･･もしかしたら時折見せる青空に想いを馳せた事もあったのかもしれません。それでも自分の置かれた状況に耐えていたのかもしれませんし、何も思わなかったのかもしれません。

　あこがれるだけに終わる人生も良し、勇気を出して飛び出す人生も良し。とりあえず後悔しなければいいや！でも我が家の金魚は後悔しっぱなし（僕に飼われちゃった事とか）だったんだろうと思うので･･･もう金魚を飼うのはやめよう！と決心した今日この頃であります。

by秋澄