T.はじめに
人間の体には夜睡眠をとり、昼間活動するというリズムがもともと備わっているため、昼間は活動的で身体の機能が高くなっていますが、本来寝ているはずの夜間は、体温が下がり、身体の活動能力が低下しているのが普通です。しかし、現代人は、仕事の都合により深夜でも働く必要がある場合も少なくなく、深夜の労働等によって健康を損ねることがないよう、毎日の健康管理に気を配ることが重要になります。健康管理の中には、睡眠や運動、食事や血圧等いろいろな対策がありますが、今回は不足しがちな栄養素であるビタミンについて考える事にしました。
U.ビタミンの効用を知る
ほとんどのビタミンは、体のなかではつくられないので、どうしても食べる物などで外から摂取しなければなりません。つまり、ビタミンはついつい不足しがちな栄養素だという事をまず理解する必要があります。そこで、ビタミンには、どのような種類があり、どのような働きをつかさどり、どのようにすれば上手に摂れるのかをまとめたのが以下の一覧表です。
種類 |
特 性 |
多 く 含 む 食 品 |
上 手 な 摂 り 方 (注意事項) |
A |
発育の促進、免疫力の強化、皮膚、粘膜、視力や目の角膜を正常に保つ |
レバー、うなぎ、緑黄色野菜、バター、卵黄 |
・緑黄色野菜など、できるだけベータカロチンのかたちで摂るのが望ましい。
・油脂を含む食品と一緒に摂る |
B1 |
筋肉、神経の働きを良くする
心臓の機能を正常に保つ |
豚肉、豆類、玄米、胚芽 |
・煮汁ごと食べる料理が効果的
・アリシを含むネギ類などと一緒に料理するのが良い。 |
B2 |
皮膚、粘膜の保護
動脈硬化の予防 |
うなぎ、レバー、牛乳 |
・蛋白質と合わせれば美肌に効果的
・ビタミンEと合わせれば動脈硬化に良い |
B3 |
脳神経の働きを助ける
皮膚や粘膜を健康にする |
魚、レバー、赤身肉、木の実 |
・ビタミンB2にほぼ同じ |
B5 |
善玉コレステロールを増やし免疫力を強める |
レバー、納豆、落花生 |
・ビタミンCと一緒に摂るとアレルギーに効果的 |
B6 |
アミノ酸の代謝を促進し、皮膚を健康にする |
まぐろ、さんま、鮭、バナナ |
・ビタミンC、マグネシウム、パントテン酸などと一緒に摂ると効果的 |
B12 |
発育の促進、貧血の予防 |
アサリ、レバー、さんま、
たらこ |
・葉酸と一緒に摂ると効果的 |
C |
コラーゲンの育成に必要で、免疫力を高める |
いちご、柑橘類、緑黄色野菜、ジャガイモ |
・適度な量を毎日摂る事が大事。 |
D |
カルシウム、リンとともに骨や歯を作る |
いわし、にしん、鮭、カレイ、
干ししいたけ、きくらげ |
・カルシウムを多く含む食品と一緒に摂る |
E |
発ガンを抑制、悪化を遅らせる、動脈硬化の予防、血行を良くする |
アーモンド、かぼちゃ、紅花
うなぎ、胚芽、大豆 |
・酸化しやすいので新鮮なうちに食べること |
H |
皮膚や粘膜を健康にする |
レバー、いわし、卵黄、クルミ |
・ビタミンA,B2,B6と一緒に摂ると効果的 |
K |
血液を凝固させる
骨形成を促進させる |
納豆、緑黄色野菜 |
ワルファリンを服用している場合は薬の効果が弱まるので注意 |
V.サプリメント選びの基本
上記まで、おおよそのビタミンの効用と摂るべき食品の内容が理解できたと思いますが、普段の食事によって十分なビタミンを摂りきれていないのが現代人の特徴です。そこで、食事の偏りや過度のストレス、環境汚染等によって栄養のバランスが崩れてしまっているのを補う補助食品としてサプリメントがありますが、このサプリメントを上手に使ってバランス良く栄養を摂るのも必要な事です。サプリメント選びの基本は、以下の通りです。
- まず、自分の食生活を振り返り、どの栄養素(ビタミン)が欠けているのかをきちんと知った上で、必要なサプリメントを適切に選択することが大切です。
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サプリメントには、単一型(1つの栄養素だけを含むもの)、複合型(一緒にとると効果的な何種類かの栄養素が含まれているもの)、総合型(マルチタイプ)の3つのタイプのものがありますが、食事で不足しているビタミン等をみきわめた上で、タイプを選択しましょう。
- 同じサプリメントでも、天然成分のものもあれば、化学合成されたものもあります。成分表示と最適な摂取量を確認してから選ぶようにしましょう。
- ビギナーなら、まず信頼できるマルチビタミンを基本にして、さらに必要に応じてミネラルを補給していくと良いでしょう。
以上、本来のバランスのとれた食事とサプリメントの上手な活用法を駆使して、健康管理を推進したいものです。 by 一心不乱 |