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絵本を一冊


全ての物事から 「信じる」 って気持ちを引いてみると。
世の中って 「信頼」 って気持ちで成り立ってるんだと言う事に改めて気づいた。


そんな事を考えるキッカケをくれたのは1冊の本。

「あらしのよるに」

1巻のあらすじは

ある、嵐の夜。
何も見えない真っ暗な小屋に迷い込んだ狼のガブと羊のメイ。
2匹は食うものと食われるもの。

相手は同じ「羊」だろうと、最初に話しかけたのは羊のメイ。
相手は同じ「狼」だろうと、答えたのは狼のガブ。

話をしてみれば、
雷が嫌いなトコロ
むかし、母親にご飯をたくさん食べなさいと口癖のように言われていたことなど
お互いの共通点を見つけたりして、だんだんと2匹は惹かれあいます。

そして、相手の正体を知らぬまま、明日会う約束をしてそれぞれの住みかへ帰ります。
「明日は、今日出会ったとっても気の合う友達と会うんだ♪」
幸せな気持ちで別れた2匹。

嵐が過ぎ去った明日は、とっても良いお天気でしょう。
晴れた日に出会った2匹はどうなってしまうのか・・・?

みたいな感じです。



1巻だけでも考えさせられる内容です。

例えば国レベルで喧嘩している人に置き換えたらどうでしょう?
例えば自分と愛する人がこんな立場だったら?とか。

読み手がいろんな風に捉え、考え、そして「人間として」大切な事に気づく。

とってもすごい絵本が世の中にはあるものです。

 

「絵本なんて子供の読み物でしょ」


なんて考えはちょっとしまっておいて、一度読んでみてください。
この後の展開もハラハラしたり、涙こぼしたり、愛を感じたりと、全くあきません。
それどころかどんどん引き込まれてしまいます。
引き込まれて、引き込まれて、一気に6冊読んでしまいました。
(他、特別編と、第7巻、小説や文庫本などがあります)
絵本にこんなに夢中になることって今までなかったことだけに、
余計にこの絵本のすごさを感じるのです。

 

「大人向けなんじゃない?」

なんて思ってしまう世界が広がる、このシビアな絵本。
この絵本の一番の対象である「子供」ってどういう感想持つんでしょうか?
そんな事も気になったりしつつ。

とりあえずコレは読むべき!
な絵本ですよ。

出だしの「信頼」ってどうなっちゃうの??
って思ったあなたも。
絵本を読んでみて下さいね。
 

 

 

 


※1994年の発売以降、講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞、劇作では斎田喬戯曲賞など多くの賞を受賞し、舞台化、イタリア語版の発行、ビデオ紙芝居の発売、さらには小学校4年生の国語の教科書に採用されるなど、多くの反響を呼び、ついに2005年は映画化。映画はイマイチだったと思うな・・・。泣いちゃあったけどね。

by 秋澄綜夜

 

 


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