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還暦を迎えて


私も昨年末に還暦を迎えました。
そこでこれまでの人生を振り返るという大げさなものではないですが、
子供のころを振り返ってみました。
 

生まれたのは戦後の昭和21年で、いわゆる団塊の世代と呼ばれています。
テレビがこの世に出てから約50年ですので、子供の頃の遊びは現在とまったく違ったものでした。お正月の定番といえば下駄や洋服を買ってもらったり、家で飼っていたニワトリを潰しての久々のご馳走でした。たしか小学生の頃は裸足で学校に通っていた記憶があります。


当時は親類・縁者のほとんどが近くに住んでいたので、お正月には各戸を年始回りしたり訪問を受けたりが1月中旬頃までと、のんびりしたものでしたが、最近はお店が3日から2日・1日に開店したり、親類が離れて住むようになりで期間も短くなりました。
遊びといえば今のように買って貰ったゲームや旅行などではなく、全て自分達の手作りでした。コマや凧などを作ったり、木の上に小屋を作ったりしながら友達と野山を駆け巡っていました。
そこで独自の創意工夫や智慧が育まれたのではと思います。
現代の子供たちは、与えられた(買った)物で遊び、友達と殴り合いをすることもなく塾を押し付けられ可哀想と思います。発想の貧弱や物を大事にしなかったり人の痛みがわからないのは当然ではないでしょうか。もっと遊ばせる必要を感じます。
また私達が受けた教育は、二宮尊徳に代表される勤勉が美徳であり(校庭の銅像は今もあるかな?)男女交際も厳しいものでした(一緒に歩いているだけで不良扱い)。
戦後の復興から高度成長期に向かう中で、がむしゃらに働き、現在の礎を築いた者と自負しています。が、働きバチと称されるように家庭のことは妻にまかせっきりで、子供の教育に手が回らなかった一面もあります。今のように妻の出産に立ち会う等ということは当時では考えられませんでした。


一方、60年安保闘争や全共闘な どの学生運動に見られるように権力に対する批判的精神も持っており、政治的無関心ではなく既存政党不支持の無党派層もこの世代です。宮崎県知事選挙に見られるように、政治にも関心を持って力を結集すれば変えることが可能であり自分たちの社会は自分たちで作っていく意識も大事と思います。
お上(社長や上司)にまかせっきりではなく自分なりの改革や方向性の意識なくしては、会社も自分の成長も無いし生活も良くならないと思います。今流行りの企業の不祥事を見るにつけ、一人一人の意識の大事さを痛感します。


私の人生もあと10〜20年。遺伝子を残すという生物的使命は果たし仕事もそれなりの成果を残したと思いつつ、今後とも仕事・家庭・社会にバランス良く関わって生きたい。

 

by 小林晃

 

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