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あるセミナーに参加して思った事
 

 実は、昨年の11月に福岡で開催されたあるセミナーに参加しました。セミナーの内容は、国主導の金融再編の影響と対策に関する話でした。地域経済を担う金融機関も企業倒産による市場縮小の影響を受けて、体力の弱いところは倒産する可能性があるとの事で、倒産による金融不安を回避するために当局による各地域の金融機関の統廃合が促進されるとの話でした。

 金融機関の再編が行われた場合、再編が中小企業に及ぼす影響として、

  1. 合併統合による債権者区分の見直し
  2. 合併当事者間の支店統廃合による費用対効果の徹底追及
  3. 金融再編による健全性確保のための条件強化
  4. 金融再編による金融機関の債権回収機能のサービサーへの委託等
が現象化し、金融機関の貸出先である中小業にとって、必ずしも好結果をもたらすとは言い切れないとの事でした。少なくとも、想定されるマイナスの影響については、今の内から対策を地道に講じておく必要があるとの事です。一番の対策は、借入れをしなくても済む採算経営を心がけると言う事です。事業規模に応じた必要利益に見合う必要売上高の確保を忠実に実践するために、5W(誰が、何を、いつまでに、どこで、なぜ)2H(どのように、いくらで)の原則を前提に行動プランを作成して進捗管理を徹底していく以外にありません。
 無借金経営に1歩でも近づけるように、計数管理を徹底的に推進する必要があります。
中小企業の経営者の皆さん、計数管理を推進するために
  1. 概算でもよいから毎月の実地棚卸しを実施しましょう
  2. 月次決算を会計事務所任せにするのは、やめましょう
  3. 毎月10日以内に、月次決算ができるようにしましょう
  4. 日計、累計で数字をつかみ予算比、前年比の分析を実施しましょう
  5. 部門別、商品別、得意先別、地域別、現場別等の収支の検討を実施しましょう
 以上の5項目は、最低限実施して欲しいものです。それでも、事業を継続していく上で借入れをしなければならない時はある訳で、その場合留意して欲しいのは、以下の通りです。
  1. 借入れをする場合は、必ず借入れにともなう必要利益、必要売上高を吟味し、返済期間にわたって、その返済原始を確保し続けられるか?冷静に見極めすること
  2. 借入れの返済金額を想定した返済資金繰り表(支払い予定表)を作成し、入出金のバランスを保てるよう前倒しで施策を講じること
  3. 支払手形の振出し、受取手形の受給を極力避けること
  4. 減価償却前利益を必ず捻出できるよう歯を食いしばって頑張ること
  5. 資金化できる資産(売掛債権、有価証券、保険積立金、固定資産等)を分類整理しておき、換金可能性の高いものから対応を準備しておくこと
  6. いざと言う時のために、返済資金を肩代わりしてくれる融資先を確保するための努力を怠らないこと
 以上6項目を念頭において、地道な経営努力を積み重ねていって欲しいものです。

by 一心不乱

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