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会計事務所の進化

 

 

 会計事務所に職して40年近くになりますが、今回はその歴史を振り返ってみます。

 私が入社した頃の会計の流れは、仕訳伝票→ルーズリーフ式元帳への転記→科目毎の集計→試算表への転記→借方合計・貸方合計の一致確認で1ケ月分の締め完了。
 もちろん当時の計算は算盤であり、何回も何回も算盤をはじいてようやく一致するという今から考えると全く非生産的な業務でした。その後、電卓が登場しやや早くはなった。

 その後コンピューターが出現。コンピューターと言っても計算センターに設置されており、端末機で紙テープに穴をあけたデータを郵送するといった仕組みでした。
紙テープの穴は二進法で処理されており、間違いを探しハサミで切り落としたり糊でくっ付けたりとテクニックが必要でした。その後紙テープが磁気テープになった。

 次が、いわゆるパソコン時代となります。当時のPCはメモリー容量が小さいためにシステム用・プログラム用・データ用の3枚のフロッピィを取替ながら処理。当初の頃のフロッピィは30cm四方であり団扇みたいでした。
この頃から、データは計算センターへ伝送となり情報処理がスピードアップしましたが、伝票を入力するパンチャーという職種はまだ現存していました。

 業務が飛躍的に変化したのは、技術の進歩によりメモリー・ハードディスクが大容量となり持ち運べるPCが出現してからです。関与先へPCを持参、データを入力し結果を表示し経営者へ報告。諸々の対策を共に検討できるコンサルタント業務が可能となった。
もちろんデータを入力し残高を確認する作業がメインであり、毛の生えた程度でしたが。
 決算予測、赤字対策、黒字対策、資金計画などの会計コンサルタント業務が本格化するのは会計ソフトの登場からです。幸いTKCのFX2というすぐれた戦略経営を目的とした財務ソフトに恵まれ、Excelなどを駆使し会計を超えて経営全般に関するコンサル業務が出来るようになりました。

 同じ会計事務所といっても会計税務の範疇から抜け出せない旧態依然の会計事務所が多い中で、進化し続けられたAIAに属したことを喜び誇りに思っています。

 進化論ではないですが、環境に適応できないものはやがて淘汰される運命にあります。
地球温暖化の是非はともかく、適応できる生物は今後も進化を続けていくことでしょう。
経済活動においてもしかり。インターネット利用の拡大に伴い世界的規模で商売のやり方も変わってきています。変わったことを嘆いても生きていけません、どう適応させどう生きていくか難しい時代になったと思います。やがて年齢とともについて行けなくなる時期が来るとは思いますがビリにならぬよう頑張って生きたいと思っています。

by 小林晃

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