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2002/04/05 |
河川計画に住民アイディア
肝属川流域懇談会設立
河川法改正に伴い県内初
国土交通省大隅工事事務所の管理する一級河川・肝属川水系の新たな河川計画に多様な角度から意見がアイディアを提言する「肝属川流域懇談会」が二十九日、設立された。 メンバーは学識経験者や地元住民らで構成。この日、鹿屋市のホテルさつき苑であった懇談会には河川や水質、地球環境に詳しい大学教授や河川愛護会メンバー、鹿屋商工会議所、きもつき森林組合、高山町漁業 協同組合長、県担当者など約二十人が参加した。 懇談会は治水と利水のみであった河川整備を、多様な生物が生息し、子供たちの教育環境の場となりうるおいのある水辺空間にするため、河川整備計画に「学識経験者や地域住民の意見を反映させる」ことが盛り込まれた平成九年の河川法改正の趣旨に沿うもので、県内初の設立。 肝属川の地域面積は四百八十五平方キロで十一万五千人が暮らす大隅半島の拠点。堤防整備率が九四%と一級河川の中ではトップレベルだが、全体の七割がシラス堤防と水に対して脆弱という。計画は、今後三十年間の整備方針を定める。肝属川は十四年度中に整備基本方針、十五年度中に整備基本計画を策定する。 懇談会では「森は海の恋人。川だけの開発でなく山林や海など総合的な環境づくりを目指すべき」、「肝属川の汚染源として家畜のし尿があるが、農業関係者を含めて論議していきたい」、「公共事業の内容は住民には大変見にくい。情報をどんどん提供して事業の中身をクリアにし、住民のチェック体制を整えるべき」、「景観面から人工物と自然の調和がとれた整備をお願いしたい」など活発な意見が上がった。 [南九州新聞 2002年04月02日]
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