(4)オープン後1年を経過するまでの期間

創業する業種によって開業前の販促活動に違いがあるので一概には言えないですが、多くの場合創業を行う場合には何らかの開店告知を行うのが普通ですから、それなりの売上数字を確保できるケースが多いようです。問題は、開業後2カ月目から半年を経過するまでの期間です。一般的には、ここで思ったように売上げがあがってこないケースが多いようです。当然のごとく、事業コンセプトにそって立地選定や店舗(事業所)並びに設備機器等の購入や商圏に応じた販促活動を実践して事業経営を行ってきた訳ですから、その実践内容が当初の事業計画と照らし合わせてみて、改善すべきところがあれば冷静に判断して改善する事が必要です。ただし、業界や同業者の一過性の情報などに惑わされてこれまで踏襲してきた事業経営の柱となっている事業コンセプトや戦略を変えるようなやり方はうまくいかないケースが多いので留意しましょう。

また売上げが上がってこない主な理由は、創業業種の違いもありますが、一般的には、顧客の店舗や取扱商品に対する飽きと言うことになります。つまり、同じ売り方を繰り替えしていたら飽きられるので、売上げは減少していくのが普通です。従って、店舗(事業所)内容、取扱商品、サービス内容、販促活動等について新たに見直しする必要があります。そのためにも、月々の業績内容の分析(特に販売実績の顧客別、取扱商品別、数量別、時間帯別、曜日別、性別・年代別、地域別等の属性分析)は重要です。更に開業月に比較して2か月目以降リピート率がどのように変化しているかをしっかりと把握しなければなりません。開業から1年を経過するまでの期間は、業績把握の仕組みづくりとその業績内容の分析結果に基づく改善努力並びにその改善内容の告知・集客努力を継続して地道に実践する事が求められます。

ところで、告知・集客媒体としてアナログの媒体(代表的なのはチラシやはがきDM)とデジタルの媒体(代表的な電子メール広告やソーシャルメディア広告)とを比較してデジタルの媒体が、費用・即時性・データベース・対話性・更新頻度等においてすぐれていると言われて久しいですが、デジタル媒体として現在注目されているソーシャルメディアの広告機能を比較して見ましたのでこれからの告知・集客媒体の選択にあたって参考にしてください。

ブログ
2008年
Twitter
2010年
Faceboo
2012年
LINE
2014年
開設費用 インターネット回線があれば無料 有償
顧客の集め方 不特定多数を相手にするため、絶えず掲載情報を更新し、ホームページやメールマガジン等との連携が必須 常時つながっているフォロワーを増やす対策を実施することで顧客化を図る 信頼関係の高いお友達関係だけに、商売や広告等の情報提供には限界がある

お友達登録をお願いすることで集客し、顧客化する

普及度合い 普及大 普及中 普及小
認知の即時性 情報掲載後、不特定多数のユーザーがアクセスしてくれない限り、認知されない フォロワーが反応(ツイート)してくれない限り、認知の確認ができない タイムラインに混入する事で、即時に認知されることが可能 ほぼリアルタイムに認知される
送付前の手間 文字・写真・絵・動画等による広告情報の作成が必須 140字以内の文字だけなので、手間はほとんどない ファンページには、HP・ブログ・ツイッター・ユーチューブなどのさまざまな情報を簡単に組み込むことができる 文面や写真、クーポン券等の情報作成が必要
ターゲティングの選別 アクセス解析でシステム化すれば可能 選別が可能 ほぼリアルタイムに、選別可能 一斉送信のみ
開封率の確認 誰が広告情報を見たかを確認するにはアクセス解析を初めとするシステム化が必要 誰が反応(開封)したかの確認は不可能 掲載した情報をファンの誰が確認したかをリアルタイムには、確認できない 管理画面で即時に確認可能
ビジュアルの演出 自由度が高い リンクする以外にない 文字・絵・動画・音など様々の電子情報を取入れられるので、ビジュアル演出効果が高い 規定の枠内での演出は可能
共感醸成 簡単で自由度は高いが、認知されるためには仕掛けが必要 文字だけなので、難しい ページ内に様々な情報をストックでき、コメントによる交流も可能なので共感醸成度が高い 限られた情報量に限定されるので、共感醸成には限界がある
クーポン提供 自由に作成可能 クーポンサイト(別途サービス)等との連携が必要 利益追求型の行為をかなり制限しているため、運用上の規約を遵守する必要がある 自由に・容易に設定でき、創意・工夫が可能
電子店舗との連携 ブログ自体が集客ツールなので電子店舗やHPとの連携は必須 リンクする以外にない 同上 リンクする以外にない
ブロック
(送付拒否)
アクセス拒否が可能 ブロック機能あり いいねの解除 ブロック機能が高い

 

(注1)ブログとは、個人の日記風の情報発信媒体をいい、操作・記事作成・更新が簡単に出来る事及び更新内容紹介機能や検索エンジン対策最適化機能にすぐれている事から、ビジネス上の集客・広報ツールとして普及しました。

(注2)ツイッターとは、140文字しか書き込むことができない掲示板的サービスを言います。通常の掲示板と異なるのは、自分自身のツイート(つぶやき)をフォローしてくれる人々(フォロワー)と常時つながっている点です。このフォロワー(知人・友人等)と常時つながっている点が、新たな集客・広報ツールとして浸透しました。

(注3)フェイスブックとは、電子上にフェイスブックページを作成し、そのページ上で様々なコミュニケーション行うツールです。このフェイスブックページにフェイスブックアプリで作成したキャンペーン・ショッピング広報等を提供することで新たな販促ツールとしてブームになりましたが、信頼関係の高いお友達が相手なだけに、運用上かなりの制限があり、広報・販促ツールとしては限界も抱えています。

(注4)ラインとは、小さなコンピューターとも呼ばれるスマートフォンの普及につれて、インターネット情報がいつでもどこでも取れるようになってきましたが、そのスマートフォンの無料通話・メッセージアプリケーションで、電子のサーバー上でマッチングし互いが登録しているユーザーを友達として扱うコミュニケーションツールを言います。通話が無料になると言うことで、スマートフォンユーザーが急速に増加していることもあり、そのアプリであるコミュニケーションツールとしてのラインがビジネス上の広報・販促ツールとしての活用の可能性が大きいとして注目されるようになります。

「創業スケジュールによるチェックポイント」へ戻る