鹿屋市白崎町の大海酒造協業組合(山下政寿理事長)は、平成15年度鹿児島県本格焼酎鑑評会で、優秀賞第1位を受賞し、12日鹿児島市の城山観光ホテルで行われた表彰式で表彰を受けた。同酒造は、平成12年度の鑑評会でも1位入賞を果たしており、この4年で1位を2度受賞の快挙に関係者は喜んでいる。
焼酎は今、全国的にブームで特に首都圏など、焼酎専門の焼酎バーができ、客が溢れるほどの人気となっており、各メーカーは注文に出荷が間に合わず、増産するほど。景気が低迷する中、焼酎業界が地域経済を支え、一翼を担っている。そういった大焼酎ブームの中での第1位、しかも平成12年度に続いての受賞で、大牟礼良行杜氏はじめ、これまでのこだわりがさらに脚光を浴びそうだ。
受賞についての本紙インタビューに、山下理事長は次の通りコメントした。
−受賞については。
山下=昨年はからいもが例年通りの豊作ではなく、せっかく第1位を頂いたのですが、現物がないというのが現状です。からいもが減収で目標通りの生産が出来なかった。
今のところ計画出荷をしており、よそも調整をしたりそういう傾向にあるなか、増産しているところもあって残念です。
−うれしい悲鳴というところですか?いま、焼酎が全国的に大ブームですが。
山下=鹿児島のイモ焼酎業界にとっては結構なことであり、この機会に業界自体がぐんと伸びてもらいたい。私どもも今年は十分に気合を入れて作っていかなければならないと思っています。
−地元はもちろんですが、東京辺りでの人気は。
山下=受賞した銘柄は、「さつま大海」と「さつまの海」ですが、東京辺りではやはり「海」が人気です。関東地方が従来から比べて大きく伸びています。
−昨年は、作業場を広げられたと聞きましたが、増産体制の準備は?
山下=私どもの工場では、1日の仕込みが白米4トン、カライモ20トン必要です。これを1日でも多くどれだけ伸ばしていけるか。2月がカライモの植付け前の一番大事なとき、例年よりかなり多めに植付けを行っていきたい。良い焼酎を作るためには、まず、良い麹が出来ることが第1の条件、麹米のしっかりとした蒸しができないといけない。また特に乙類焼酎は、イモにしろ米、麦などにしろ原料の特徴がしっかりと出る焼酎ですから、良いイモが獲れることが大事です。さらに杜氏や蔵の者が努力をしないと良いものが出来ない。4月からイモの植付けを行い、9月半ばに新焼酎が出来ますが、さらに努力を続けていきたい。
−さつま大海、イモ焼酎ファンにひとこと。
山下=今は、計画出荷をしており、あるもので食いつないでいくという状況で皆様に満足できる形で出せないですが、今後も良い焼酎を
造り続けていき、単なるブームで終わらせないようにがんばりますので、ご愛飲のほどよろしくお願いいたします。
2004/2/12 南九州新聞 掲載
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