商圏における競合者チェックについて

起業して参入しようとする事業分野の現状分析と今後の展望を見極めるために、参入予定地域の市場調査(立地特徴、商圏規模、顧客特性、競合者、成長性等)を実施する訳ですが、これらの調査の目的は、営もうとする創業事業が安定した事業基盤を得られる可能性の程度を見極めることにあります。

ところで、創業しようとしている事業が属する業界には、多くの場合大中小の先達事業者が競合事業者として存在する訳ですが、まずは創業しようとしている地域(商圏市場)において、当面の競合事業者の実態を把握して商圏市場で選別してもらい、先達の競合者を相手にして戦っていける材料を明確にし、差別化要因を確認しておく必要があります。

即ち、競合者との差別化要因を明確に意識するために実施するのが、商圏における競合者
チェックです。そこで、競合者チェックにおける差別化のための8つの切り口を見ることにします。

項目 内容 特徴 調査項目
立地 店舗や事務所を構える場合の商圏規模の確認 戦略的な差別化要因で、簡単には変更できないので、決定の際に商圏内の競合者数や営業状況を確認しておく 人口・世帯数、住民特性、地域特性、商業特性(業種特性)他
売場・
演出力
売場(サービス)のデザイン、レイアウト、棚割り、広さ、演出内容等について確認 当面の競合者に対して、売場(サービス)のデザイン、レイアウト、棚割り、広さ、演出内容等についての差別化要因を比較検討しておく 左記の項目に対して、競合者に対する自分の差別化要因となる内容をチェック
ストアロイヤルティ 商圏における認知度やイメージの確認 商圏内の顧客に対して信用と信頼を確立するための要件である競合者のブランド力の確認 当面の競合者について、認知度やイメージを確認し、自分との差別化要因(競合材料)をチェック
商品力 商品の量、アイテム数、価格帯、取扱商品等の確認 競合者と比較して自分が差別化しやすい項目、数値化しやすい項目を整理しておく 左記の項目について競合者の商品力についてチェック
販促力 商圏における認知度をあげ集客するためのチラシ頻度や看板等の広告企画の確認 商圏内のターゲット顧客について、競合者と差別化できる販促内容や頻度を検討する 左記の内容について、競合者の販促力をチェック
接客力 競合者の接客対応、商品知識、接客時間、人員や備品配置などを確認 競合者の接客対応、商品知識、接客時間、人員や備品配置等のレベルを把握し、自分との差別化要因を明確化する 左記の内容について、接客力のチェック
価格力 競合者の品目(サービス)ごとの主力価格帯と目玉商品(差別化商品)の価格を確認 競合者の価額付に対し、量・幅・質等の差別化で対応できるかを検討する 商品名(サービス内容)や価格帯ごとの価格力チェック
固定客化力 競合者の固定客化(リピート化)に向けたサービス内容(小売業者のポイントカード等)を確認 競合者が取り組んでいる固定客化(リピート化)のサービス内容について、自分が取り組める差別化要因を明確にし、選別する 左記のサービス内容についてのチェック

 

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