創業(事業)計画書を作成する場合に最も重要なのは、事業コンセプトを明確にする事です。この事業コンセプトが明確になる事によって、投資(施設)計画、販売計画、仕入計画、資金計画、返済計画等の具体的な活動方針を決定する事ができます。
事業コンセプトとは、簡単にまとめれば、事業者が何を、誰に、どのようにして提供するのかを決定する事を言います。事業コンセプトは、想定商圏における顧客目線で策定するのが、持続力あるコンセプトを作る必須条件です。
事業コンセプトは創業分野によって多少の違いはありますが、その視点を整理すれば以下のようになります。
視点(切り口) | 内容 |
---|---|
[1]誰に売るのか (顧客視点) |
ターゲットの明確化と言われるもので、売ろうとする人々の世代、性別、思考、趣味、仕事、価値観、家族構成等をイメージしながら、極力明確にします。 |
[2]どこで売るのか (立地視点) |
[1]の顧客視点にも通じる販売場所(商圏)のイメージです。住宅街、ビジネス街、繁華街等で人通りが異なるように、ターゲットにした顧客がどの程度見込まれる立地なのかを検討し、明確にしていきます。 |
[3]何を売るのか (商品視点) |
[1]、[2]が明らかになってきたら、ターゲットにした顧客層や商圏でのニーズを満たす商品(継続して選別してもらえる商品、メニュー、サービス等)をイメージし、取扱う商品の特徴やセールスポイントを明確にします。 |
[4]いくらで売るのか (価格視点) |
[3]が明確になったら、商圏における競合者を前提にしながら、商品1品当たり、セット商品当たり等、あるいは気軽に払える、何度でも利用できる等の切り口に基づいて、トータルとしての価格イメージを決めます。 |
[5]どんな店で売るのか(店舗視点) | 店や事務所の備品、内装、外装、客席等の雰囲気や特徴をイメージし、[1]〜[4]の視点とも関係させながら、集客できる条件を整理し明確にします。 |
[6]どんなサービスで売るのか(接客視点) | ターゲットにした顧客層に満足を与えられる接客・サービスをイメージして、取り組む接客・サービス・募集等の内容を検討します。 |
[7]どんなプロモーションで売るのか(販促視点) | 顧客が商品を買うまでの行動は、注目→興味→欲求→購買のプロセスからなると言われているように、それぞれの過程で顧客を引き付けるプロモーション(販促活動)が求められますが、[1]〜[6]の視点を前提に、購買プロセスの視点を加味して、具体的な販促活動をイメージし、明確にします。 |