(2)創業を決意してからオープンまでの期間

(1)の創業を決意するまでの準備期間に入手した情報やアドバイスを分析・整理した結果、創業を決意した場合には、まずは(1)で整理した各種の情報内容を前提にして、創業(事業)計画書を作成しましょう。

その事業計画書に従って、具体的な活動スケジューリング化(立地の選定、立地条件に見合う店舗・事業所の決定、工事関係者の選定と発注、設備機器の選定と調達、関連する行政当局への申請書の届出、販売取扱商品の調達、初期投資に必要な資金の調達と金融機関の選定、プレオープンに向けての販促活動やオープンセレモニーの準備等のスケジューリング化)を行います。

これらを作成しおえたら、あとはスケジュール表に従って行動します。具体的な創業計画について項目ごとのチェックポイントを整理すれば、以下のようになります。

1.経営理念・経営方針

創業するにあたっての動機や目標(夢)及び基本的なよりどころ(事業コンセプト)を明文化したものをいいます。

詳細は「経営方針(事業コンセプト)の概要について」をご覧ください。

2.施設計画

施設計画とは店舗や事業所を設ける場合に、想定商圏における
1.立地選定及び物件選定の条件、
2.取得店舗・事業所の内外装の内容、
3.店舗・事業所の取得や改装等の投資内容を言います。

詳細は「施設計画策定上のポイントについて」をご覧ください。

3.販売計画

販売計画は、商圏規模を想定した見込売上に基づいて作成するわけですが、この場合、
1.誰が(家族・親族や従業員等)、
2.誰に(どのような顧客層をターゲットにするのか)、
3.何を(どのような商品・サービスか)、
4.どのように
 (店舗販売、対面販売、移動販売、代理店販売、通信販売等の販売チャネル)、
5.どこで(立地の選別)、
6.販売条件(価額設定、営業手法、広告・プロモーションなど)
7.販売時間等を考慮して策定する事になりますが、
 基本的な考え方は必要売上高(必要資金)を踏まえて計画します。

売上見込みの基本的算定数値の考え方は以下のようになります。

A、小売業等の店舗売りの場合
   1坪当たりの見込売上高×売場面積

B、飲食業、理・美容業などのサービス業の場合
   見込客単価×席数(設備単位数)×1日当たりの回転数

C、自動車販売業、化粧品販売業等の労働集約的業種

   従業員1人当たりの見込売上高×従業者数

D、部品加工業、印刷業等の製造加工サービス業

   見込生産能力(見込生産売上)×設備台数

詳細は「販売計画の作成上の留意点について」をご覧ください。

4.仕入計画

仕入計画は、販売計画がきまれば、それに合わせてほぼ決まる事になります。この場合、

1.何を(売れ筋商品・サービスにそって必要最低限の仕入れ額・
 仕入れ量・仕入れ商品等を見極めます)、
2.どこから
 (必要な量、時期、品物、価額等を見極めて、安定して供給してくれるかどうか)、
3.どんな条件で(決済手段、決済時期、決済額、決済サイトなど)を踏まえて計画します。

ここで注意すべきは、仕入高に期待値利益を付加した価額では売れない事も想定して、市場の売れ筋価額を見据えた仕入価額、原価設定が必要となります。

詳細は「仕入及び経費計画作成上の留意点について」をご覧ください。

5.経費計画

毎月経常的に発生する費用即ち電気、ガス、水道、交通費、リース料、人件費、保険料、減価償却費、租税公課、支払利息等の費用を見極めて、これらの費用(固定費)を回収できる売上も念頭に置きながら経費計画を作成します。

詳細は「仕入及び経費計画作成上の留意点について」をご覧ください。

6.資金計画

資金計画は創業頭初に必要となる設備資金計画と商品仕入れや支払経費(仕入計画と経費計画がベース)等の運転資金計画からなります。

基本は極力自己資金で小さくスタートし、売りの基盤が出来てきたところで資金調達して必要な投資を行っていくのが基本です。不確定な売りをあてにして、決して無理をしない事です。

詳細は「資金計画作成上の留意点について」をご覧ください。

7.採用計画

事業が順調に推移すると、いずれは人を採用しなければなりません。

人を採用する場合の人員計画の基本は、人を雇う事による人件費(給与・賞与・法定福利費等)を賄える利益(必要利益)を確保できる売上(必要売上)に目途が立つかと言う事です。

目途が立たなければ借金する事になり結果として厳しい事態を招くことになるので、採用計画は関連費用(募集費、採用費用等)も含めて慎重に、かつ具体的に(時期、採用条件、給与水準、人数等を勘案して)策定しましょう。

8.返済計画

事業の拡大あるいは創業時の自己資金不足から必要資金を賄うために借入金を調達する事がありますが、借入金は返済しなければならないと言うことです。

そのためにまず認識して置かねばならないのが借入金の返済資金は何で賄われるのか?と言うことです。借入金の返済財源は利益と言うことです。

利益は売上高から仕入費用や通常の支払経費(電気、ガス、水道、交通費、リース料、人件費、保険料、減価償却費、租税公課、支払利息等の固定費)等を差し引いた残額を言いますが、利益が出ない限り返済財源は賄えなえないと言うことをしっかりと認識すべきです。

従って、月々の借入返済額を賄うためには月々の利益が月々の返済額を上回っているかを確認しましょう。最低でも月々の減価償却費+利益の合計額が月々の返済額を上回っていることが必要です。つまり返済計画は、月々の収支見込を前提にして策定することになります。

詳細は「返済計画作成上の留意点について」をご覧ください。

 

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